そして届かないほど遠くまで
夢中で駆け抜けた
名前を呼ぶ声 掻き消すくらいに

前だけ見れば影が伸び
未来を 指し示す
僕にお似合いの 只暗い茨道

痛む足を擦り 走り続けた
深い暗闇に 視界は濁り
響く咆哮が 間近に迫る
今に現れて 獣の餌に…

抉る傷、闇、 未知の気配、
全て此の身捧げ 償えど
ただ 今も叫ぶ声が——

どうか届かないほど遠くまで
夢中で駆け抜けた
追い縋る声に 囚われぬように

空を仰げば時は散り
揺らめき 抱き締める
僕にお似合いの 只重い蜃気楼

悼む追憶は 廻り続けた
不快塗れても 鮮やかなまま
握る掌に 滴り落ちる
今に襲われて また二の舞に…

記憶ごと、過去、道の果てに、
全て此の手離れ 捨て去れば
ただ 今も叫ぶ声が——

どうか届かないほど遠くまで
夢中で駆け抜けた
こびりつく声を 拭い取るように

耳を塞げど繰り返し
幻 断ち切れず
僕を呼んでいる 美しい走馬灯

終わることない長き道
其の犠牲 思いを馳せては
君が居ないことを憂う

孤独に埋もれる長き道
此の軌跡 思いを馳せても
君が居ないなら——

そして届かないほど遠くまで
夢中で駆け抜けた
名前を呼ぶ声 掻き消せやしない

前だけ見れど今もまだ
思い出 はち切れる
僕にお似合いの 遣る瀬ない茨道

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S1
そしてとどかないほどとおくまで
むちゅうでかけぬけた
なまえをよぶこえ かきけすくらいに

まえだけみればかげがのび
みらいを さししめす
ぼくにおにあいの ただくらいいばらみち

A1
いたむあしをすり はしりつづけた
ふかいくらやみに しかいわにごり
ひびくほうこうが まぢかにせまる
いまにあらわれて けもののえさに

B1
えぐるきず やみ みちのけはい
すべてこのみささげ つぐなえど
ただ いまもさけぶこえが

S2
どうかとどかないほどとおくまで
むちゅうでかけぬけた
おいすがるこえに とらわれぬように

そらをあおげばときわちり
ゆらめき だきしめる
ぼくにおにあいの ただおもいしんきろう

A2
いたむついおくわ まわりつづけた
ふかいまみれても あざやかなまま
にぎるてのひらに したたりおちる
いまにおそわれて またにのまいに

B2
きおくごと かこ みちのはてに
すべてこのてはなれ すてされば
ただ いまもさけぶこえが

S3
どうかとどかないほどとおくまで
むちゅうでかけぬけた
こびりつくこえを ぬぐいとるように

みみをふさげどくりかえし
まぼろし たちきれず
ぼくをよんでいる うつくしいそうまとう

C
おわることないながきみち
そのぎせい おもいをはせてわ
きみがいないことをうれう

こどくにうもれるながきみち
このきせき おもいをはせても
きみがいないなら

S4
そしてとどかないほどとおくまで
むちゅうでかけぬけた
なまえをよぶこえ かきけせやしない

まえだけみれどいまもまだ
おもいで はちきれる
ぼくにおにあいの やるせないいばらみち

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

荊棘の道

かぎしっぽ様の楽曲「on the road(仮)」への応募作です。
https://piapro.jp/t/tGsO

悲しみや後悔を忘れて前を向こうと必死に足掻くけれど忘れられない…という歌詞です。
戦時中に幼馴染を目の前で亡くされた方のお話を伺いそのイメージで書きました。

閲覧数:210

投稿日:2023/08/30 21:56:35

文字数:1,269文字

カテゴリ:歌詞

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