「-無題-」
狂いだした雨の真ん中で彼女はずっと嗤っていた
苦しい、悲しい、と言いながら涙を流す、心が。
やがて疲れた彼女の声で「ここにいるよ、私は。」
気づいてくれなかったとしてもこのままここで眠ろう
夢の中に眠るお姫様どうか笑っていていつまでも
震える彼女のまぶたから流れるしずく溢れた
お願い
消えないで
暗闇が包んでしまっても
泣いた、泣いた、君のせいで
美しいなんて嘘、分かっていた なのに
好きよ、好きよ、忘れることなんて
もう出来ないのに
やめて、やめて、俯いたら
君の顔が分からなくなってしまうから
嫌い、嫌い、もう知らないよ だから
泣いた、泣いた、君のせいで
そばにいてほしかった、言えなかった だけど
好きよ、好きよ、この気持ちはもう
止まらないんだろう
雨あがり見上げた空の上に見つけたのは北極星
彼女の瞳に差し込んだ小さく優しいその光
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