秋晴れの風が吹くある日。いつものようにみんながバンの研究所で過ごしていると、入り口のドアが開く音がして、
「こんにちは、ここで住所合ってますよね?」
「・・・こんにちは」
長い金髪を2つに束ねて、余った髪は後ろに流している女の子と、うさ耳をつけた、ピンク色と紫色を混ぜ合わせたような髪をした女の子が入ってきた。
「あっ、メイさんとアリスさんじゃないですか。遊びに来たんだねー」
にゃーさん(ベル)とじゃれていたミナにゃーは、じゃれるのをやめて2人に声をかける。
「よくたどり着けましたねー」
ジミはメイの手に持っている紙切れを見て言った。
「何ですか、私が書いた案内図がわかんないっていうんですかー!?」
ジミの言葉に反応して憤慨するマニ。
「いえ、ちがいますよ。メイさんは今日初めてここにやって来たので、その労いの言葉で言っただけです」
にこりとマニに笑いかけるジミ。
「・・・この頃、攻めるようになったよね、ジミちゃん」
ぽつんと言うナエルに、
「「そうですね、だからこそ今がチャンスだと思いますよはい」」
何やら黒いことを呟くムウと天音フワ。
「・・・チャンスって、何なのよね?」
「ほら、ミドリくんとレトきゅんですよ、確かに見ものですよねー」
ナエルの呟きに、モコが答える。
「・・・・・あ、そっかよね!」
妙に納得するナエル。
「はれ? この前、お会いしましたよね?」
柔音フワは、メイとアリスにたずねる。
「えっと、パフェ対決が終わったあとの、打ち上げパーティでしたっけ?」
メイが言うと、
「あ、覚えててくれました? 嬉しいですよー」
「・・・そういえば、フワきゅんはぶどうが好きだったわね。確かあの時も私が食べようとしたら、フワきゅんが掻っ攫ってたわ」
「そしてその後日も、喫茶店でもどこからともあり、ぶどうパフェをフワさんに食べられて・・・アリスさんがかあいそうでした」
「「それは大変ですね」」
苦笑いするピノとリア。
「ちょーっと待って下さい!」
そんなところへ、マニが待ったをかける。
「どうしたんだ? マニ」
今まで場を見守っていたアカイトはマニにたずねる。そんなアカイトにモコは複雑そうな表情になる。
「ちょっとメイさん! またおかしい日本語使ってますよ!」
「えっ、またやっちゃったですか?」
「そういえば、どこか文法的に間違いはあったな」
マニをメイの会話を聞きながら、頷くバン。
「ど、どこがですか?」
「まず、どこからともありではなくて、どこからともなくですよ! それで次は、かあいそうではなくて、かわいそうです!」
びしっと間違いを訂正するマニに、
「わ、分かりました。次からは気をつけます」
メイは言ったのだった。
「・・・はぁ、そんなんじゃだめだめです」
「まあ、いいんじゃないか? メイって言ったっけ、メイちゃんも次からは気をつけますって言ってるしさ」
「だから、だめなんです」
何も分かってないなというように、マニは言う。
「あの打ち上げパーティの時のあのおかしな日本語を初めて指摘して以来、どれだけの、次も気をつけますっていう言葉を聞いてきたんでしょうか! この気持ちがアカイトさんに分かりますかっ!!?」
「え・・・」
さほど悪い言葉も言ってないのに、なんか最終的に怒られて、唖然とするアカイト。
「でも、メイさんは5月に生まれた悪魔の子で、しかも最近日本にいらしたそうですから、しかたないとは思いますけど」
「悪魔の子・・・?」
「あれ? アカイトさんってば、打ち上げパーティ最後まで残りませんでした? 確か午前2時頃にメイさんとアリスさんの紹介があったはずなんですけど・・・」
不思議そうに呟くアカイトに、これまた不思議そうに首を傾げるマニ。
「午前2時か・・・、そういや、その時間帯はちょっと抜け出してたな。・・・そうだよな? バン」
「そうだな、ちょっと風に当たりたくなって抜け出してたな」
「あ、そうでしったっけ・・・。ま、細かいことはいいです。・・・それで、今日来るとメイさんに聞いて、私たち女子組で、レモンケーキを作ったんです」
「メイさんだけじゃなくて、みんなで食べようにゃんよー」
「そうですね、ミンさんの言う通りです」
ミンの言葉に賛同するメイ。
「でも、すっぱいものは確か嫌いだったよな? いいのか?」
「いいんですよ、黄色いから」
ラクの問いに、メイは笑って答えたのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説】 悪魔の子・メイと兎の子・アリスとレモンケーキをみんなで 【新エピソード】

こんにちは、もごもご犬ですこんばんは!
今回は、やっと亜種コラボ小説の新エピソードの新作です!
やっぱり書いているとそれぞれの亜種たちの会話がおもしろいです><
このおもしろさが少しでも読んでくれている人たちに伝わればと思います!

次回は、まだ未定ですが、お楽しみに!

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投稿日:2010/10/17 14:09:52

文字数:1,825文字

カテゴリ:小説

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