こんにちは。初音ミクです。
今日はメイコ姉、カイト兄、リンちゃん、レンくんとデパートでお買い物です。
メイコ姉とカイト兄は二人でCDショップに行ってしまいました。
私はリンちゃんとレンくんと…

「ミークー姉ー!」
「痛いって、ばか!引っ張るな!」

おっと、帰ってきた。

「可愛いー?似合うーっ?」

二人で帽子を選んでいたリンちゃんとレンくんは、新しい色違いのキャップを被っていました。
リンちゃんは赤地に金の星がついた、レン君は黒地に銀の星がついたキャップ。

「似合ってるよ!色違い可愛いねー!」
「ほら、可愛いって!レン!」
「可愛いって言われても困るんだよ、俺は」

レンくん、顔が真っ赤。
それはきっと私が可愛いって言ったからじゃなくて、リンちゃんとお揃いのキャップを被ってるから。

「ミク姉、何か買わないのー?」
「そうだなぁ…じゃ、ネックレス買おうかな!」
「じゃ、あたしも一緒に選んであげるー!それであたしもネックレス買おっと♪」
「じゃ、行こうかっ!」

歩き出した私の横を、リンちゃんが歩く。
その後ろをレンくんが腕を引っ張られながら渋々歩く。
いつもの光景です。

「ここ!ここが好きなの!」

私はお気に入りのお店に辿り着き、中に入りました。

「うわぁー、可愛いー!」

リンちゃんの目が輝きました。
リンちゃんが腕を離してしまい、レンくんはお店の中でちょっぴり浮いています。

「ミク姉に似合うのはねー…」

いろいろ言いながら、リンちゃんがネックレスを選んでくれます。

「…俺、これ可愛いと思う…」

レンくんが呟きました。
指差したのは、キラキラした小さな蝶がついた可愛いネックレス。

「わ、可愛い…!」

私は思わず言いました。

「ほんとだぁ、可愛い…!」

リンちゃんも言いました。
そして

「いいなぁ」

と小さな小さな声で付け足しました。

そっか、レンくんが選んだネックレスだもんね。

「じゃあー、私こっちのウサギにしようかなー?リンちゃん、蝶似合うと思うよ!」

私は隣に置いてあるモチーフ違いのウサギのネックレスを手にとりました。

「え?」

リンちゃんがびっくりして私を見ます。

「ね、レンくん?」

私は振り返ってレン君に聞きました。
リンちゃんも振り返ります。

「うん」

レンくんは目線をそらして言いました。
あらら、さっきより顔が真っ赤…。
自分が選んだネックレス、リンちゃんがしてくれたら…嬉しいよね。

「じゃ、リン蝶々にするっ!」

リンちゃん、とびきりの笑顔。

「ありがと、レン!」
「別にリンのためじゃないし…」

もう、レンくんは素直じゃないんだから…。
知ってるよ。本当はリンちゃんに似合うネックレスを選んだんだよね?
素直に言えないから私に言ったんだよね?
リンちゃんは気付いてないと思うけど、顔に書いてあるよ。

お会計を済ませると、丁度私の携帯電話が鳴りました。
メイコ姉からです。

『もしもし?お買い物終わった?』
「うん、終わったよっ!」
『じゃ、6階のカフェで待ち合わせね』
「はーい」

私は電話を切って、二人とカフェに行きました。

カフェに着くとカイト兄はもうアイスを食べていました。

「またアイス食べてる…」

レンくんが呆れて言いました。

「おいしいよ!食べる?」

カイト兄、幸せそう。

「カイト、黙って食べて。ほら、あんたたちもなんか食べる?」
「俺、バナナパフェ」
「リン、バナナパフェ!」

同時に言った二人。

「はいはい。ミクは?」
「…紅茶かな」

メイコ姉が注文して、しばらくすると紅茶とバナナパフェが1つ。

「バナナパフェもう1つはもう少々お待ちください」

ウェイトレスさんがそう言って去ると、二人は同時にパフェに手をのばしました。

「俺が先」
「リンが先!」

また同時に言って、戦いの始まり。

「俺が先だって!」
「だーめー!リンが先に食べるー!!」
「リン、レン、五月蠅いわよ。ジャンケンよ、ジャンケン」

メイコ姉が言うと、ジャンケンが始まります。

「さーいしょーはグー、じゃーんけーんぽんっ!」

パーと、パー。

「あーいこーでしょっ!」

グーと、グー。

「あーいこーでしょっ!」

パーと、パー。

なかなか勝敗が決まらず、しばらくあいこが続きます。

「あーいこーでしょっ!」

あっ、決まった。

リンちゃんがチョキ、レンくんがグー。

「よっしゃ」
「うわぁぁぁー!負けたぁー!!」

叫ぶリンちゃんの横で、レンくんがおいしそうにバナナを頬張ります。
さっきのカイト兄以上に幸せそうな顔。

「ずーるーいー!ずーるーいー!!」
「分かったよ。一口食べちゃったけどあげるって」
「いい!いらないっ!」
「なんだよ」
「もうレンなんか知らないっー!」

リンちゃんが頬を膨らましてそっぽを向いた時、バナナパフェがもう1つ運ばれてきました。

「いただきますっ!」

ふてくされながら言ったリンちゃんは、ものすごい勢いでパフェを完食。

「…」

じーっとレンくんのパフェを見てから、最後の一口だったバナナをパクリ。

「あっ、リン!!」
「仕返しよ、ばーかっ!」
「バナナがああああーっ!」

レンくん、涙目。

「ふーんだ!」
「あげるって言ったじゃん!」
「知らない!もうやだっ!」
「何だよお前っ!」

レンくんも頬を膨らませてそっぽを向いてしまいました。

「もう、なにやってんのあんたたちは…」
「だってレンがあっ!」
「違うだろ、リンがあっ!」
「くだらない、もう帰るわよ!」

みんなでデパートから出て、帰りの電車に乗りました。
もう太陽が沈もうとしています。

私とメイコ姉、カイト兄が座っているお向かいにレンくんが一人で座っています。
まだふてくされながら座っているレンくんの隣に、同じくまだふてくされているリンちゃんが座ります。

「なんで隣座るんだよ」
「だってここしか空いてないもん」

そんなこと言って。電車はガラガラ。
きっとレンくんの隣じゃないと落ち着かないんだろうな。
レンくんも言い返さないってことはきっと同じ。

「…」
「…」

二人の間に流れる沈黙。

「ミク、何買ったの?」

カイト兄に聞かれて、私は買ったものをお披露目。

「へー、可愛い!」
「でしょっ?カイト兄は何買ったの?」
「僕はねぇ…」
「ちょっと、二人とも!」

メイコ姉が私の肩を叩きました。
そして人差し指を口にあて

「しーっ」

と言うと、お向かいを指差しました。

リンちゃんもレンくんもぐっすり寝ています。
お揃いのキャップとキャップをくっつけて、手を繋いで、そっくりな寝顔で。

「さっきまで喧嘩してたのにね」

メイコ姉が笑います。

夕日が二人を照らし、リンちゃんの胸元で蝶がキラッと光りました。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

ショッピング。

ミク目線でリンレン。
まだお子様だよね。14歳。
電車で仲良く寝てるってかなり萌えですよね←

兄さん出番少ない。キャラが分からないw

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投稿日:2009/09/19 23:21:47

文字数:2,852文字

カテゴリ:小説

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