「話って、なにかな」
「あのね」
彼は言いづらそうに俯いた。
「うん」
「驚かないで聞いてね」
小粒の雪が降っていた。
私は小さく頷いた。
「遠いところにいくんだ」
「だから、もう、会えなくなる」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
空気が薄く凍ったのがわかった。
「うそ」
「嘘じゃない。…だから、もう、別れよう?」
やだ、と言おうとした。
でも舌が上手く動かなかった。
白い息だけが零れた。
「ごめんね」
唇を塞がれた。
ずるいと思った。
握った手が強くなった。
唇が離れていく。
長い時間は刹那だった。
「・・・またね」
また、という部分だけが心に残った。
淡い君の温もりが体にまとわりついて離れなかった。
しばらくぼうっとしていた。
公園のベンチは案外冬を越すには寒いのだな。
そんなことを考えたりした。
終わった気がしなかった。
君と繋いだ方の手はまだ冷えきっていなかった。
雪が降り積もって、足に薄く被さる。
微睡みに呑まれて、転た寝をしてしまった。
寒かった。
一人でいるには、夜の公園は余りにも寂しい場所だと知った。
ふと、頬を滴が伝った。
私は君がいなくなったことを認識してしまったのだった。
…何が悪かったのかな、
私は自分に問い掛ける。
こんな別れ方でよかったのかな、
ううん、と首を振ろうとした。
でもできなかった。
否定するだけの理由がなかった。
こんな私だから、仕方ないことなのかな。
涙腺がこれ以上ゆるまないように、納得したフリをした。
眠って、忘れてしまいたかった。
ここは寒すぎる。
家に帰ろうか。
でも足は動かなかった。
だってそれは、君が消えたことを認めることだから。
辛くて、苦しかった。
時間が解決してくれると信じた。
地に着いた雫が乾いていく。
それは時の経過を知るには十分すぎた。
長い長い時間だった。
夜はまだ明けそうもなかった。
私は帰ることを決めた。
どうせ帰ったところで、もうそこには何もないのだけれど。
もしも、また君に出会ったなら、
その時はもっと強い私でいるよ。
さよならももう恐れないよ。
だから、まだ好きでいてもいいですか。
小さく声に出してみる。
虚空。
返事なんてある訳ない。
…切ないな。
マフラーを巻きなおした。
…ごめんね。
やっぱり私、まだ君のことが好きだよ。
涙は家に着くまで、流れることをやめた。
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