巡り行く季節は この街によく似ていて
昼下がりの木陰にも立ち止まっていられない
満たされない気持ちでいた
肌を刺す光にも当たれないでいる
遠く揺れるのは 何かが足りない僕の心だ
何かを探して街を眺めては 目を塞いでいた
夏から逃げ出した僕ら ただ一つ澄んだ木陰へ
束の間の出会いに 同じ夢に手を伸ばすのだ
ただそれは夏の1ページに過ぎないとしても
この一瞬を覚えていてくれないか
めくるめく季節に 流されて行くことは変わらない
切り取られたような木陰と漂うのは二人だ
満たしていくのは 夏の青 青 青 だけ
その色なぞりあう僕ら きっと忘れてしまうことさえ
束の間の出会いは 同じ空にいつか馳せる思いへ
いつか育つと信じて別れたんだ
互いの名前は知らないままで
蝉の声 蒸し暑さ 逃げ込んだ僕ら忘れられていくように
蝉の声 さんざめく 逃げ込んだ僕らまた逃げていくよ
蝉の声 ゆらめいて 逃げ込んだ僕らは
ゆらめいて ただ あおかった
夏から逃げ出した僕ら ただ一つ澄んだ木陰へ
束の間の出会いに 同じ夢に手を伸ばすのだ
ただそれは夏の1ページに過ぎないとしても
この一瞬は永遠になって澄んでいく
そう言った 夏の終わり
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