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「鈴ー、蓮が何か呼んでるよー。」
後ろからギュッと抱き着いてきた彼女は律と言う。
みんなは専(もっぱ)ら『りっちゃん』と呼んでいるが。
こんな可愛い彼女が本当は男の子だなんて…詐欺だと思う。
思う、けど 可愛いから…まぁ いっか(オイ)
「んー?何でー?」
首に回す細い腕をそっと握る。
「何かー、プレゼントがあるってー。」
「んー… 別に要らないなぁ。」
律が絡めていた腕をするりと引っ込めた。
「あれ?どしたー?」って言いながら顔を上げるとコトリと額に握りこぶしが置かれた。
「要らないって…何だよ。」
律はどこへ行ったのか。
部屋にはあたしと蓮しかいない。
「いや、くれるなら貰うけど。」
ちょっと気まずいな…。何か蓮しゃべんないし。
よく顔が赤くなるけど、今日もそうだな。
「…別に。白亜兄が鈴に持ってけって言った、から。」
そして 片手に持っていた包みを差し出す。
いつも以上に顔は真っ赤だ。
「ん、サンキュ。」
蓮は何か言おうと口を開け閉めしてる。…鯉みたい。
「…~~~それ。」
目線から察するに、椅子の上でも胡坐(あぐら)を掻(か)くあたしの足を指しているのだろう。
「…少しは…女っぽくしろよ!」
蓮は言いたいことを言い切ると凄い勢いで逃げていった。
相変わらず、逃げ足だけは速い。
さて、綺麗に包装されたプレゼントを丁寧に広げていくと…。
中にあったのはカチューシャとリボンだった。
純白のそれは 町に溢れる少女型ロボット『鏡音リン』と同じだった。
ロボットは他にも色々な種類があって 例えば『鏡音レン』や『波音リツ』等沢山いる。
あたしたちも元になっているロボットがいて、あたしの場合は『鏡音リン』だった。
他の『鏡音リン』もどうかは知らないけど、あたしにはファッションセンスがこれっぽっちもない。
蓮にも言われた通り、男っぽい性格だし…。
それに比べて黒里は可愛らしい。
あたしと正反対で、女の子らしくて あたしたちの衣装をデザインして実際に作っているのも黒里だ。
そこまでいって、思い出した。
何故、あたしがリボンをつけていなかったのか。
………黒里に頼むとしよう。
「黒里ー。」
ややあってから返事が来た。
「何?」
「これ………。」
と言いながら、蓮に貰ったリボンとカチューシャを見せるととたんに黒里の顔が明るくなった。
………………………何でだ。
キラキラした…星みたいなのが飛んでるし。
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