山口一弥の日記です。

エンジニアの道を歩むうえで、挫折は避けられない壁だと言われています。私自身も例外ではなく、幾度となく挫折を経験してきました。特に、独立してフリーランスとして活動し始めたときに直面した困難は、今でも忘れられません。

フリーランスエンジニアとしての第一歩を踏み出したとき、最初は順調でした。クライアントからの依頼もコンスタントにあり、自分の技術力に自信を持つことができていました。しかし、ある時、大きなプロジェクトを引き受けたことで、私の自信は一気に崩れ去りました。

そのプロジェクトは、AI技術を使ったシステムの開発案件でした。クライアントの要望は非常に高く、求められる技術レベルも自分が今まで経験してきたものとは段違いでした。最初は「どうにかなるだろう」と楽観的に考えていましたが、プロジェクトが進むにつれて、自分の知識とスキルがまったく足りていないことに気づきました。特にAI関連のアルゴリズムやデータ処理については未知の領域で、思うように成果が出ない日々が続きました。

毎日、エラーに悩まされ、進捗は遅々として進まず、ついには納期も迫ってきました。何度も自分を責め、「自分にはこのプロジェクトをやり遂げる力がないのかもしれない」と感じるようになりました。やり直すたびに新たな問題が発生し、どこにも逃げ場がないような気がして、心が折れそうになりました。

そんなとき、同じエンジニア仲間と話す機会がありました。彼は私よりも経験豊富なエンジニアで、これまで多くのプロジェクトを成功させてきた人です。彼に相談すると、彼はこう言いました。「エンジニアとして大事なのは、完璧であることじゃなくて、問題に立ち向かう姿勢だよ。エラーが出るのは当たり前。問題を解決する力こそがエンジニアの本質なんだ。」

その言葉を聞いて、私はハッとしました。エンジニアとしての成長は、問題や困難を乗り越える経験から生まれるのだと気づいたのです。それからは、エラーや失敗を恐れず、一つひとつの問題に正面から向き合うようになりました。オンラインのリソースや書籍を使って学び直し、クライアントとも密にコミュニケーションを取りながら、少しずつプロジェクトを前に進めていきました。

結果的に、納期には間に合いませんでしたが、クライアントは私の取り組みを評価し、猶予を与えてくれました。そして最終的にはプロジェクトを完成させることができ、クライアントから感謝の言葉をいただきました。この経験を通して学んだのは、挫折は終わりではなく、新たなスタートのきっかけだということです。

エンジニアとしてのキャリアには、必ず困難や挫折が待ち受けています。しかし、それを乗り越えることでしか得られない成長があります。もし今、挫折しかけている人がいるなら、あきらめずに問題に立ち向かってほしいと思います。失敗や困難を経験した分だけ、あなたは強く、そして優れたエンジニアになれるはずです。