創作オリキャラちゃんの小説を書いてました。
天気の悪いある日、雨宿りもせず雨に打たれっぱなしの黒ウサギがいた。
そのうざぎは動こうともせず、ただ、じーっと雨のなかにいた。
そんなときに、
[いや?]
ウサギの頭にはこんな声が聞こえた。
そのウサギは頭が良いようで、人間の言葉は理解できるウサギだった。
だから、頭のなかで、返事をした。
[別に、慣れたよ。いつもの事だよ]
すると、おちゃらけた声で、
[嘘!!寂しそうだもん!てか、人間の言葉は理解できたんだね。]
[…まぁ、少しは]
ウサギも寂しいのが本音だった。寂しくて辛いとまではいかないが、誰かといたいことに変わりはなかった。
[じゃあ、おいでよ。こっちにさ]
そういった声が聞こえた瞬間、やけに大きな門が出てきた。
ウサギは門を潜る。体が変な感じだ。
潜り終えた時には、
「な…なにこれ!?」
人間の姿だった。
「来た来た!!本当に寂しかったんだねぇ?」
ウサギに声を掛けた人は、全体的に白く、片目だけが赤い女子か男子か分からないような人物だった。
「そ、そんなこと…!」
「はいはい。強がりは良いよー。今まで一人でよく耐えたね」
突然かけられた優しさがこもった言葉には、正直涙があふれでてきた。
「そ、そんなこと…」
「今はどんどん泣いて良いんだよ。可愛いウサギさん」
「私…うわぁぁぁぁん!」
泣き叫んだ。ニンゲンがこんなに優しい生き物だとは思いもしなかった。
*******
散々泣いたあと、
「君の名前は?」
名前を問われても答えようがない。何故ならば
「名前は…無い」
そう、名前がないのだ。
「ありゃ。それなら僕が…考えてあげるよ。そうだな…。ウサギなんだし【ラビン】なんかどう?」
初めて。初めて名前をつけられた。そこまでしてくれると思うと、とても信用してしまう。
「う…うん。それで、良いよ…」
嬉しいよ。とっても嬉しい。
ラビンの心は喜びで溢れていた。
「僕も名前をいった方がいいかな?えーっと、僕の名前は【メグハ】って言うんだ。ヨロシクね♪」
白髪の人物、メグハはそう言ってラビンの手を握った。
「う…うん。よ、よろしく…」
ラビンはその手を握り返した。
温かい、ヒトの温もりを感じる。心地が良い。
「メグハの手はあったかい」
「そ、そうかな?ありがとう」
メグハはそう言って、にっこりと笑った。
ラビンの心は暖かくなる。何故だろう。まだラビンには理解出来なかった。
「まぁ、ラビンちゃんにはお洋服でもあげるよ」
そういって、メグハは手を叩いた。その瞬間。ぽんっと洋服が出てきた。魔法みたいに。
「か、可愛い…ピョン。…あれ?」
可愛い。そこまでは良い。ピョン?おかしい。明らかにおかしい。
「でしょ!?可愛いよね!ピョン?まぁ、完全にヒトにはなれてないし、良いかな」
ヒトにはなれてない?つまりは、まだウサギという事だろう。
「ま、気にしないで。さぁ、着てごらん」
メグハに手伝ってもらいながら、もらった服を着てみる。可愛い。私にぴったりだ。何て言ったら自分を誉めてることになってしまう。
「おー、似合う似合う!!サイコー!!」
嬉しい。メグハに誉めてることは嬉しいよ。
「あ、ありが…とう」
「あれぇ?照れてる?可愛い!!」
そうこうして、ラビンはメグハのところに住んでいるのだ。
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