* * *

 彼には連絡を入れず、私は彼の住む街に来ていた。

「こういうのウザいよね……」

 なんて思いながら、でも、何故か声を聞くのが怖くて。

 拒絶されたら…って。

 いつもよりゆっくりと、駅から彼の部屋まで歩く。


 ほんの数年前には、何度も何度も通っていたこの道。

 久しぶりに通る私には、何だか遠い世界のよう。

 でも、休日だからかな…周りには楽しそうなカップルがたくさんいて。

 ほら…あのお店からも、仲良さげに腕組んだカップル…が……。

「え…」

 彼氏の方と目が合って、組んでいた腕が乱暴に振りほどかれた。

「ど、どうしたの?」

 困惑した彼女の顔。

―可哀想じゃない……優しくしてあげなきゃ。


 ああ……どうして私はこんなに冷静なんだろう……。


「お前…何でここに……」

 彼氏の目が大きく見開かれて、私を見つめていた。

「久しぶり…ね…」

 その彼氏は、私が会いに来た人……。

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【歌詞創作用小説】遠距離恋愛。(4)

3話URL↓
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5話URL↓
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会いたい。でも会いたくない。


怖いから。



悪い予想ほど、よく当たる。




いきなり訪ねてこられるのは、私的にウザいです←←←

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投稿日:2010/08/01 23:32:20

文字数:423文字

カテゴリ:小説

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