放課後。
グミは屋上に来ていた。別にたいして用事があった訳ではないが、何となく来てみた。ただ、それだけ。
「今日も空は青いねぇ~」
言いながらグミは自分で笑いそうになってしまった。顔にかかる風が何となく心地好い。
「…そういえば」
あの人と会ったのもこんな青空の日だった…もう、よくは覚えていないけれど。
物思いに耽っていると不意に屋上の向こう側から物音がした。
「…あれ?」
グミが屋上に来た時には誰もいなかったから誰か来たのだろうか。
グミはそっと壁に隠れて物音がした方を除いてみた。
見ると男子が4人ほどいて1人の男子をカツアゲしている様に見えた。
「お前さぁ、包帯なんかぐるぐるに巻いてカッコ良いとでも思ってんの?」
カツアゲされている男子が胸倉を掴まれた。
遠目でよく見えなかったが、何故かグミにはそれが誰なのかはっきりと分かった。
―あれは帯人だ。
「ちょ、ちょっと何して―」
グミは叫びながら男子の方へ向かおうとした瞬間、
帯人の胸倉を掴んでいた男子の悲鳴が重なった。
「ぎゃああああああ!!!」
グミの体が硬直した。
見ると男子の手の平にピックが刺さって…
手の甲を貫いていた。
「お前っ…!」
「え、何?手出してきたのはそっちでしょ?何か文句ある訳?」
帯人が男子の手からピックを引き抜いて肩にかけている。ピックの針は血で銀色と赤色の斑模様になっていた。
「テメっ……!こんな事してどうなるか分かってんのか…」
「え、何言ってんの?やってきたのはそっちの方じゃん。俺はただ正当防衛しただけだし」
「……………!!!」
「この……っ!」
後ろにいた男子が帯人に向かって殴りかかろうとした。
「調子乗ってんじゃね…」
「止めろ!!」
殴り掛かろうとしていた男子の動きがとまった。
見ると後ろにいた赤い髪の男子が腕組みをして帯人を睨んでいる。
「手ェ出すな、帰るぞ」
「でも…」
「俺に文句言う気か?」
言われて二人の男子が帯人から離れた。
「今回はこれで引くけどこれだけだと思うなよ?」
そう言って赤い髪の男子が身を翻した。
「待って」
帯人が赤い髪の男子に声をかけた。
「あ?」
「君、名前は?」
「…須藤アカイト」
そう名乗ってアカイトは屋上を出ていった。
「帯人」
不意に自分の名前を呼ばれ帯人は我に返った。
「君は…」
「グミ、だっけ?」
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