愛を求めないで、心触れないで。
アタシを見張らないで…。
別の男（オス）の糸を切らないで。
アタシは独りきりで…。

殴らないで、傷を責めないで。
アタシをもう…染めないで…。
奪わないで、人が仰ぐ空。
アタシは独りきりで…。

乾涸びたこの糸が、切れかけと知っていても
アナタはそう…逃がさない

「捕りとめられた蜘蛛の糸のように。」

アタシはこの檻に繋がれた
何処にも飛べずに「ずっとずっと…」って。
Ah…窓から観ている今も…
「ここから飛ばせて…。」

アタシの羽に採りつけられた
針の痛みだけ「ぎゅっとぎゅっと…」って。
Ah…何処にも飛べずにいた…
飼われた「クロアゲハ。」


もう…耐え切れない。
空に触れさせて…。
アタシを飛び立たせて…。

鉄格子の奥に見える空。
アタシの手…届かなくて…。

愛は感じているの…。
「好き」だけの記憶は、剥がれ落ちた羽の様…。

「壊れた愛は歪み、散らばせて。」

この独り鎖に繋がれた
足を引きちぎって「ずっとずっと…」って。
Ah…ここから出させて…。
君の呪縛を解かせて…。

この人に縛られつけられた。
アタシを「好き」だって。「ぎゅっとぎゅっと…」って。
Ah…何処にも行けないように
Ah…「羽まで千切られた。」


アタシはこの檻に繋がれた
何処にも飛べずに「ずっとずっと…」って。
Ah…窓から観ている今も…
「ここから飛ばせて…。」

アタシはこの檻で生きてきて
何処にも飛べずに「ずっとずっと…」って。
Ah…窓から観ている今も…
「ここから飛ばせて…。」

アタシはこの檻で死んでゆく
彼の支配だけ「ぎゅっとぎゅっと…」って。
Ah…何処にも飛べずに逝く…
アタシは「クロアゲハ。」