雨が降りしきる
またいつものように
隠れる影もなく
嘲りの針が刺す
いつも孤独の
友を知らぬ猫
どこに帰ろうかと
また無いものを探す
閑古鳥鳴く店も
客じゃなきゃお呼びでない
明るそうな部屋の中
じっと見つめた
街角のはぐれ物
暖かいを思い浮かべる
そうしてまた理想を描いて
泥に塗りなおされる
誘蛾灯が糸を垂らし
はぐれものを寄せ集め
でも居場所は見当たらずに
背を向けた
甘いミルクの味も
ひと時の夢心地も
ボロボロの絵本にある
御伽噺
転がって来た希望も
野次馬が啄んで
食べカスだけ残し
遠く消えた
割とよくある話
今日もいつも通りに
軽蔑のトンネルを
潜り抜けて
もう疲れたよ
虚しさが少しずつ顔覗かし
他の誰かにただ撫でて
欲しいだけなのに
そうしてまた理想を抱いて
泥の中で迷う
雨は降り止まず
またいつものように
隠れる影もなく
憐みの針が刺す
いつも孤独の
目を閉ざした猫
終わりに来てよと
低い声で鳴いた
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