ジャケット

失くしたものの価値なんて
気付く訳がないんだ


明日の空も見る事はない 白黒の憂鬱に覆われた視界は
行く宛てもなく独り彷徨う この身を重なる暗幕に閉ざすばかりで

何を祈るでもなく 何かを信じる訳もなく 生きるだけなら
死んでるのと同じだって 分かっちゃいるんだ
だから在りもしない 奇跡に ただ縋った

染めてよ 君のその手でさ
色のない僕をどうか
埋めてよ 君の両手でさ
この空白も全部 全部

二度と届かない 叶う筈のない
夢を見ていた それだけの
ごくありふれた話


瞬く光 ただ遠く、遠く 返る事のない木霊を待っていたんだ
何度、空が回っただろう 何度、季節が移り変わっただろう

握る掌に 暖かな感触なんて 在りはしなかった
それでも少しはさ 信じてみたいんだ
確かな理由も 根拠も 今はないけど

その日を 迎える事もさ
叶うか分からなくて
その陽を 拝む事もまだ
僕に出来るか分からなくて

続く、ただ続く 惰性のレールの上で
独り佇む それだけの
ごくありふれた人生


なあ
特別な何かなんて何処にも残っちゃいないよ
回る回る歯車の一欠片にすら成り損ねた
今日も続く明日も続く鉛色の汚泥の様な
そんな日々がこんな日々が何よりも僕を枯らした
煌々と輝く星の瞬きの一部分だけでも
僕には満ち足りるような特別な光だった
それだけを それだけを 今も夢見てた


染めてよ 僕の世界をさ
噎せ返る程の紅で 紅で
止めてよ 僕の鼓動をさ
君の両の手でどうか どうか

二度と戻らない 動く筈のない
肉塊になってさ 僕は初めて
色彩を得られるんだ

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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モノクローム

閲覧数:422

投稿日:2018/09/01 15:51:25

長さ:04:59

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カテゴリ:ボカロ楽曲

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