Q.あなたはどうして生き てるの?
A.分からない。
いつもと変わらない日常。
家庭も学校もいつも通り。
私と関係ないような世界。
誰も私が居ないかのように振る舞う。
親も他人。
私は…独り。
…分からない。
どうして、どうして生きてるの?
誰も答えない。
誰でも良いから、教えてよ…苦しいよ。
そんな日常が続く…。
誰も私の名前を読んでくれない。声もかけない。
…分からなくなってくる。私は誰なの?
何で此処にいるの?
どうして独りなの?
どうして生きてるの?
…考えても答えは見つからない。
家にも私の居場所はない。リビングに響く笑い声。
でも、私はそこに入れない。
…息苦しい。
「〇〇さん。」
誰かが名前を呼んだ。
自分の名前だと気付くのに少し時間がかかった。
「何?」
素っ気なくなってしまった。久しぶりに自分の名前を呼ばれて少し嬉しかったのに…。
「えっと、同じ図書委員の****っていうんだけど…。今日委員会の仕事があるから放課後に図書室に来て欲しいんだけど…大丈夫?」
何処にいたって変わらない。断る理由もない。
「分かった。」
「良かった、仕事を任されて困っていたんだ。ありがとう。」
「!」
お礼を言われるとは思っていなかった。感謝の気持ちとか「そういう感情」を向けられたのはいつが最後だったのだろう。
*放課後*
「あっ、〇〇さん来てくれたんだね。」
「……。」
何を答えて良いか分からない。『ヒト』と話すのは久しぶりで戸惑う。
話し方も忘れてしまった。
彼は私の機嫌が悪いと思ったらしく、慌てた様子で話し始めた。
「やっぱり迷惑だったかな?ゴメンね。」
違う。
「大丈夫、特に用事ないから。」
「そっ、そう。良かった~。じゃあ、頑張ろっか!」
…パタッパタッ…
穏やかな時間が続く。
息苦しくない。
逃げ出したい、と思わない。
ずっと続いて欲しい、と思うほど心地よい。
「さん、そこの本取ってもらっても良い?」
「…はい。」
本を手渡すと、彼は何かに気付いたように大きく目を見開いた。
「…〇〇さん、それって…。」
彼の視線の先を追う。
彼の視線は私の右手首に注がれていた。
「!」
私は慌てて手首を隠した。遅かった。
「…〇〇さん、悩みがあるなら僕が力になるよ。」
私が汚いことを知っても彼は私を見捨てない。
優しい言葉をかけないで…貴方に頼りたくなる。
依存してしまう。
「〇〇さん?」
「っ!私は…自分がどうして生きてるのか分からないの!」
息苦しい。
彼にこんなことを聞いても迷惑なだけなのに。
「…〇〇さん、僕は君のことが好きなんだ。だから、勝手かもしれないけど、僕と一緒に生きて欲しい。」
「!」
何も言えなくなる。
ずっと探してた『私が生きてる理由』。
彼は、それを見つけてくれた。
Q.あなたはどうして生きてるの?
A.一緒に生きてくれる人がいるから。
コメント1
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ご意見・ご感想
禀菟
ご意見・ご感想
デビュー作!!
いいな~文才いいな~
俺も何か書いてみよっと。
次作に期待!!
2011/04/03 19:17:35