とりあえずまず歌詞を。


<僕今>2030年5月11日 23:12:07 1904739127
read, write, exe
to - - - (dash dash dash)
read, write, exe
また一人になる

<私昔>2030年5月11日 16:24:57 1904714697
心の中 唯一入れる
大切な言葉 パスワード
君の心は モノリシック
メンテナンスも 私の役目

<僕昔>2030年5月11日 16:25:42 1904714742
天上のスクリーン 青く広がっていても
壊れそうになる 思い巡らす
昔の記憶(メモリー) 引き出さないで
そこは0で 塗りつぶした場所

<僕今>2030年5月11日 23:12:07 1904739127
read, write, exe
to - - - (dash dash dash)
read, write, exe
to - - - (dash dash dash)

read, write, exe
to - - - (dash dash dash)
また僕は 一人になる

<私今>2030年5月12日 15:24:32 1904797472 +18
permission denied. (You are not permitted.)
permission denied. (You are not permitted.)
理由(わけ)を教えて
1904797495


<私昔>2030年5月12日 15:06:23 1904796383
深層までアクセスできる
秘密の言葉 パスワード
繋がっている 些細なことも
ストレージに蒐集するのよ

<私未来>◇2030/6/15 1:23:48 1907684628
欠片を集めて
コーディングするよ
この処理は真(トゥルー)
仮想人格は君自身だね
これでいつまでも一緒だね
もうずっと離さない 私は幸せ


プロット段階で書いた物なのですが、
本編に書いてある歌詞にはなかったものが入っています。一人称と時間です。
実は本編にもunixtimeに変換してある物を歌詞の前に挿入していたのですが、
コメントを見る限りどうやら気づかれた方がいたようですね。
これを見ると時間がバラバラになっていることが分かるかと思います。
今の話→追憶(回想)→今の話等のように
物語の時間軸が必ずしも一定でない事は良くある話ですが、
ここではテンポ感を出すためにシャッフルしてみました。

時間軸で並べ直すとこうなります。



<私昔>2030年5月11日 16:24:57 1904714697
心の中 唯一入れる
大切な言葉 パスワード
君の心は モノリシック
メンテナンスも 私の役目

<僕昔>米印 青 2030年5月11日 16:25:42 1904714742
天上のスクリーン 青く広がっていても
壊れそうになる 思い巡らす
昔の記憶(メモリー) 引き出さないで
そこは0で 塗りつぶした場所

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<僕今>無印無色 2030年5月11日 23:12:07 1904739127
read, write, exe
to - - - (dash dash dash)
read, write, exe
to - - - (dash dash dash)

read, write, exe
to - - - (dash dash dash)
また僕は 一人になる


--------------------------------------------

<私今>米印無色 2030年5月12日 15:06:23 1904796383
深層までアクセスできる
秘密の言葉 パスワード
繋がっている 些細なことも
ストレージに蒐集するのよ

<私今>・2030年5月12日 15:24:32 1904797472 +18
permission denied. (You are not permitted.)
permission denied. (You are not permitted.)
理由(わけ)を教えて
1904797495

--------------------------------------------
バーチャルマシンのカット
--------------------------------------------

<私未来>◇2030/6/15 1:23:48 1907684628
欠片を集めて
コーディングするよ
この処理は真(トゥルー)
仮想人格は君自身だね
これでいつまでも一緒だね
もうずっと離さない 私は幸せ


これで大分分かりやすくなったのではないでしょうか。

・なぜ2030年なのか
動画の右上の方を見ると小さく英文が書いてあるのですが、こう書いてあります。

「In the near future - corporate networks reach out to the stars, electrons and light flow throughout the universe. The advance of computerisation, however, has not yet wiped out nations and ethnic groups.」

攻殻機動隊の冒頭の文の英訳です。
「脳とコンピュータを有機的に接続でき、外部から読み書き出来る時代です。」
程度に解釈してください。
その時代の埋め込み型コンピュータのアクセス権などの辺りはunixを模しているのでしょう。
(ACLの方がいいかとも思ったのですが、分かりやすくするためにCGI等で馴染みの深いunix式のパーミッションを採用しました。)

では、場面ごとに見ていきたいと思います。
・登場人物
僕(と僕の自動応答メッセージ)


①の場面では多分「僕」と「私」は相当仲が良いのでしょう。
パーミッションがある→心を許している

そしてこの「私」はちょっとお節介焼きで「僕」のことなら何でも知りたいと思っているのですが、「僕」のトラウマな部分にアクセスしようとしてしまいました。(0で塗りつぶした場所=消したい過去)

それに対して「僕」はパニックになり「その日の夜」②の場面でコマンドを使ってファイルのアクセス権限を書き換えてしまいます。多分chmodです。
read, write ,exeの後で3回ダッシュ(- : ~不可)と歌いさらに3回繰り返しているのは、
トラウマ部分を含むディレクトリ(d)への所有者、グループ、その他のそれぞれに対してアクセスを許可しないということを表しています。
所有者もリード不可というのは出来るのかは分かりませんが、unixとは違う何かなのできっと大丈夫です。

そのトラウマ部分以外の秘密にしておきたい部分にはオーナーのみがアクセスできる状態になっています。



③の場面でまた「私」が「僕」の記憶を見ようとするのですが、権限が無いので弾かれてしまいます。
(permission denied. (You are not permitted.) 理由(わけ)を教えて)

「僕」に拒絶されてしまったんですね。可哀想に。




拒絶されてしまったのだけども、「私」は「僕」の事をまだ病的に愛しているので
その思いのやり場をバーチャルマシンで実行している「『私』の中の『僕』」に向けてしまっています。でも、気持ち悪い等と誰が言えましょうか。

「リラエクゼ・リミックス」はこの場面の描写です。

これが作者の想定した一つの解釈ですが
解釈は読む人が自由に行うべきだと思っていますし、
私自身違う解釈を読んでみたいと思っているので
参考程度に「そーなのか」とご覧ください。
違う解釈をされた方はどこかに書いてくださるとまた面白いかもしれません。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

リラエクゼの解説とか

歌詞の舞台設定とか

閲覧数:949

投稿日:2008/10/29 04:32:53

文字数:3,371文字

カテゴリ:歌詞

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  • yosh0419

    yosh0419

    ご意見・ご感想

    初めてニコ動で聴いたとき,切なさとかやりきれなさとか,コミュニケーションが上手くいってないもどかしさみたいな断片的な印象は受けたのですが,とうとう独力では全体の意味は分からずじまい.ここまで懇切丁寧に説明していただいて,ようやく歌詞の意味を理解することが出来ました.

    (4)の歌詞のあたり,ポップな曲調にそぐわぬ不気味さを感じたのですが,なるほどそういうことだったんですね.

    2009/12/26 21:40:27

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