好きってなぁに??







〔教えてあげようか。Ⅰ〕







miki視点






学校、一人で行くのつまんないなぁ……。せめて、バス通とか、チャリ通出来ればいいのになぁ。



そんなことを考えながら、一人私はいつもの通学路を歩いていた。


なんか退屈。



いつもと変わらない朝。


いつもと変わらない道。


いつもと変わらない空。




何か面白いこと、ないかなぁ。







「琴音!」


不意に聞こえた私を呼ぶ声。



誰だろう。



後ろを振り返ると、同じクラスの男子―――――歌手音ピコが立っていた。



歳の割に大人びた雰囲気。


苦手じゃないけど、あんまり喋ったことのないタイプ。




「ピコ君,おはよー^^」


声をかけてくれたんだし、答えなきゃね。



でも知らなかったなぁ。ピコ君もこっち方面なんだぁ。




「おはよー。琴音、一人?」



爽やかに微笑むピコ君。




そういえば、女子受けいいよなぁ、ピコ君。



爽やかさがうけるのかなぁ。



それとも大人びた雰囲気??





よくわかんないけど。



「うん。皆、方面違うから。いっつも一人で登校してるよー」



「ホント!?じゃあ、これから毎日、一緒に学校行かない??」



幼い子供みたいに、目をキラキラ輝かせるピコ君。


私は別にいいけど、学年きってのモテ男がどうしたんだろう。


すっごい急展開な気がするけどｗ



まぁ、いいやー。

一人で行くの、つまんなかったし。

これでちょっとくらいは楽しくなるかな………!!


「いいよー^^」



「よっしゃー!!」

無邪気に笑いながらガッツポーズをするピコ君。




なんか、思ってたより 幼いって言うか、話しやすいタイプだなぁ。


ずっと、大人っぽい感じだと思ってたのに。













「琴音って話しやすいなぁー!!」

校門の前にさしかかったとき、不意にピコ君はそう言った。



「私もピコ君、意外と話しやすくてビックリしたーw」



私の言葉に目を丸くするピコ君。



「意外と??」



「もっと、大人っぽいっていうか、静かな感じだと思ってたー!」


数分前の私は確かにそう思ってた。



苦手じゃないけど、近付きに難い。
そんなイメージだったもん。



数分でそのイメージを崩したピコ君も、大分すごいと思うw



「琴音は想像通りだった^^」



想像通り??



「明るくて、天然、ちょっと鈍い。」


ニコニコ笑いながらそう言うピコ君。



「鈍いってどこら辺!?」



「その時点でもうアウト!!」



「えーww」


不意に笑みがこぼれる。


何でだろうか。

胸の奥あ妙にすっきりしたような気分。


あ、そっか。

ピコ君と居るからかな。




このままずっと笑っていられれば――――――いいな

































私はいつ気付くかな。

私はいつ知るのかな。

私はまだ気付かない。

私はまだ知らない。


好きってなぁに??