埃まみれの
カンバスの上に
窓枠の影が
色彩を成す

すりガラス越し
儚い夕陽が
虹を滲ませて
動き出す


水瓶の中へと
螺旋描き沈む軌跡
濁りは溶け散って
淡いぼやけ残し
消えていった


塗り重ねていく
絵の具は
染み込んで元に
戻れなくて
失うばかりを
追いかけていて
大事な何かを
置いてきた気がする



少し剥がれた
名画のレプリカ
闇に晒されて
忘れ去られて

棚の隙間の
乾いた絵筆が
虹を吸い込んで
光り出す


パレットの上へと
落ちるままに落ちた軌跡
隣と溶け合って
元の鮮やかさえ
消えていった


塗り重ねていく
絵の具は
下の色すらも
戻さなくて
失うばかりと開き直って
大事な何かは
取り戻せたのかな?



無機質な額縁へ
入れられて挟まれて
見もしない部屋の隅
形だけ飾られた

色褪せた隣人は
遠く見て動かない
眩しさに耐えきれず
コトリと倒れていった

切なさと
哀しみが
重なり合って
紙へと沈む
描いた 線を 辿り
巡り 廻る 記憶
後の 跡を 追って
向かう 白い 未来
la la la……



塗り重ねていく
絵の具は
染み込んで元に
戻らなくて
失うばかりを
失っていて
大事な何かに
気付かなかった


塗り重ねていた
絵の具は
乾き切って元に
戻れないけれど
残されてた色は
過去の色の上に
ずっと そっと
佇(たたず)んでいた

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

水彩油絵

「再→」の続きのつもりだった。今度はちゃんと復活させようと思った。

で、ベクトルを上方修正したら駄文になってしまった……。

失敗作です。たぶん。

閲覧数:93

投稿日:2011/06/22 20:22:51

文字数:595文字

カテゴリ:歌詞

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