アテナ

そこには、/初音ミク
そこには、
嫌に焼き付いた　春の日射しが
それは　煌めいて　こぼれ落ちていった
なんかずっと焦っていて　心の臓がそこで跳ねていて
抉り取ったその空気　私の喉で跳ねていた
そこには、塞いだって振動があって、息があって、
継ぎ接ぎにしたって叫んだって、あんたは歌ってるまま
そこには...

A1
おはよう飛び交う
いつもの朝が
デジタル時計を
進めていく
B1
慌ただしく繰り返す声
追い越された
「遅刻！遅刻！遅刻！」
S1...

８月１５日の午後１２時半くらいのこと
天気が良い
病気になりそうなほど眩しい日差しの中
することも無いから君と駄弁っていた
「でもまぁ夏は嫌いかな」猫を撫でながら
君はふてぶてしくつぶやいた
あぁ、逃げ出した猫の後を追いかけて
飛び込んでしまったのは赤に変わった信号機
バッと通ったトラックが君を轢き...

儚く届いたこの音のように
小さく小さく咲いたあの花も
泣かないようにそらを見上げたの
夏に降る雨の匂いと今交ざり合った
同じ空を二人で飛んでいける気がしたんだ
冗談だよなんてね君が言うからわからないや
流れてく星空ともお別れしようよ
ずぶ濡れのこの視界じゃ見えないから
拭ってよこの雨を
あの空を君と...

意味と夢と命を集めて
作られてしまって身体は
終わった命を蒸し返す機械らしい
【これは彼の昔のお話】
人一人は涙を流して
「また会いたい」と呟いた
ハリボテの街の終末実験は
昨日時点で予想通りグダグダ過ぎて
その時点でもう諦めた方が良いでしょう？
次の二人は　街の隙間で...

よって題意は示された。/初音ミク
煙りだした息が解けた
うごめく午前零時過ぎ
走り出した思考の裏
甘くて渇いた喉を抉じ開けた
「さようなら」と　「いつまでも、ずっと忘れはしないから！」
君へ　「心からの祝福を！」
渦巻いた　巡り巡った　私の答えが
君ときっと　いつまでも　回る
相対の殴られ合いで...