足場の悪い中、
ガゼルは穴に到着した。
そこには
下へと続く階段があり、
それは彼に遺跡を
彷彿とさせた。
するとどこからともなく声が
聞こえてきた。
(久しぶりではないか、
ガゼルよ。
今こそお前に力を与える時。
さあ、目の前の道を進み、
我のところへ・・・。)
と、声が消えかけた時、
ガゼルは
「待ってくれ、
あんたは一体何者なんだ?」
しかし声がその質問に
答えることはなかった。
仕方なくガゼルは
先に進むことにした。
一歩階段に
足を踏み入れた途端に
ぼおっと音をたて、
燭台全てに火が灯された。
ガゼルは驚きながらも、
階段を降り続けた。
階段は思ったより長く、
最下層に着くまで
十五分ぐらいは歩いていた。
最下層に着くと
大きな円形状の広間に出た。
壁には謎の紋様やら文字やらが
刻まれており、
無機質な荘厳さが感じられる。
その広間の中心には、
祭壇のようなものがあり、
光り輝く剣が
深々と突き刺さっていた。
ふと、また声が聞こえてきた。
(よくぞここまで来た。
ガゼルよ。剣を抜き、
我が力、開放して見せよ)
「剣を抜けば良いのか…!?」
と思いながらガゼルは
祭壇に刺さっている
光り輝く剣に手をのばす。
すると、瞬く光にガゼルは
吸い込まれて気を失った。
「――――ここは…どこだ?」
ガゼルが目を覚ますと、
見たこともない
真っ白の空間が広がっていた。
動揺しているガゼルの前に、
不思議な空気を纏った男が
やってきて話を始めた。
「我を開放してくれたこと、
感謝する。
力を与えるために少し
お前の体を貸してもらおう。」
ガゼルはこの声に
聞き覚えがあった。
そう、昔この湖で
自分に語りかけてきた者、
そしてさっきも
語りかけてきた者とも
声が似ている。
「あなたは一体
何者なんですか?
それに体を貸せだって!?」
すると男は率直に、
正体を示した。
「我は魔神、『ヴァイス』。
復讐の神だ。
この世界に復讐するため、
生まれてきた。
だが我には体がない。
だから少しお前の体を
貸してもらう」
ガゼルは驚いた。
「ちょ、ちょっと待てよ!
この世界に復讐だなんて、
聞いてないぞ!
お前はオレに力を
貸してくれるんじゃ
ないのか!?」
するとヴァイスは不気味に
微笑んで、
「復讐が終われば
力は貸してやる。
そのために協力しろ。
まあ、拒んだところで
剣を抜いてしまった今
お前に拒むことは
できないがな。」
ヴァイスのこの言葉を最後に、ガゼルは意識を失った。
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