起きたらそこは湖だった
湖に浮かんでいるのは僕だ
水面に映る僕の顔
あぁなんて酷い顔なんだ
目を閉じれば怒鳴り声
水の音はかき消さない
なんで都合良く動かないの
これは僕の夢な筈なのに

好きな音楽を聴いてみよう
誰にも邪魔されないよう耳栓を
流れる音楽は感情を巻き添えに
心は無音になった

登校して入室したある日の朝
突然配られる小テスト
勉強なんか覚えてる筈ないでしょ
ふた桁万点ひと桁得点
赤ペンは嘲笑う「君の人生何桁万点?」
タラントンは僕を拒否した「16年分の価値は無い」と

今日も声が聞こえる
僕は耳を塞いだ
名前を叫ばれて何度目かの朝を迎えた
夢の中の水面は血だらけの僕しか映さない
鏡の国は僕を正常だと判断する
どれが本当かなんて既にどうでも良い

もし僕の手の中に1デナリオンあるとしたら
最期は誰かに手紙を書くとしよう
高い封筒を買って
万年筆にインクを
もしお釣りがくるなら仕方がないから
渋々にでも募金するさ

朝起きてみたらそこは血の海で
それに関しては何も思わない
血鏡に映る僕



幸せそうに笑っていた


「もういいんじゃないかな?」荒野で君は誘惑する
「まだダメなんだよ」掠れた声で答えた
また聞こえた怒鳴り声
またナイフを振り下ろした

「もういいんだよ」その声は優しくて澄んだ声
綺麗な君は星の涙を流した
「一緒に居よう」その手はとても暖かい
君は僕を抱きしめて
僕は君を抱きしめない
「一緒に背負おう」その言葉は酷く胸を締め付ける

ありがとう
ありがとう
ありがとう お星様

僕は初めて一歩踏み出した

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投稿日:2015/03/19 22:43:56

文字数:675文字

カテゴリ:その他

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