♪理戒フノオ目線

やってやる、とは決心したものの…
「貴様!汚らわしい手で姫サマに触れるな!」
「ならアナタが助けてみせなさァい?」
二人の熱いアドリブ掛け合いのお陰か普段より客が増えてきた…俺、空気。
「では、行くぞ!」
「は!かかってきなさい!!」
ケイは日々の殺陣練習のお陰か必ず掛け声と共に斬り掛かる。もちろんかわすのも簡単で。因みに当人のシヲはライムの腕の中で再び熟睡
「貴様、やるな!」
「君こそ。今ならアタシの部下に加えてやってもいいわよォ?」
「ヘッドハンティングなら大佐に直々に伝えにいくんだな!」
お、アイツヘッドハンティングとか言葉知ってんだな。意外…。今さらだがこれって、劇としていいのか?雄音、雄音どこだ。確か舞台袖に…いたいた。なんだ?カンペか
『フノオさんどうにかしてください』
はあ!?いやいやいや、俺には無理だ!、と大声で言いたいところだが舞台上で動けない
『ラチがあかないので、いい感じにしめてください!』
んなの、簡単に言われても!!
「スポンジマンがんばってー!」
「女の子をたすけてあげて!」
声のする方を見ると、野郎の多い観客席の中で小さい子供が声をあげていた。こんなよくわからないヒーローでも応援してくれるやつがいるのか…
スポンジマン、女の子を助けてやろうぜ。で、ちゃちゃっと今日もライムをやっつけてやろう。今の俺は理戒フノオじゃねぇ
「少年!俺も手を貸そう!!二人で君のお姫様を救おうじゃないか!!」
「お前は…この世界の勇者か?」
「ヤツは俺が倒す!君は隙を見計らってお姫様を助けるんだ」
「了解した!」
「何をゴチャゴチャ言ってるのかしらァ?次の一撃でカタをつけてあげるわ」
ショウもこちらの様子に気づいたらしい、これはいつものお決まりの最期のセリフだ
「ライムスケイル、お前はここで洗浄してやる!いくぞ、必殺!!シトリック・アシッド・ストーム!!」
お決まりのポーズを全力で決める→舞台袖からスモークが入る→ライムを包む→ライムが苦しむ←今ココ。今だ、とばかりにケイに視線を送ってやる
「姫サマは返して貰うぞ!」
「げっほげほ!しまった…!!つ、次こそは貴様を汚してやるわよォ、覚えてなさいスポンジマン!」
ライムが捌け、今だ眠るシヲを抱えた、ケイとスポンジマンが舞台に残される
「貴方のお陰で姫サマを助けることができた、感謝する。名を教えてくれないか、この世界の勇者よ!」
「キッチンの平和の使者、俺はマダムの味方、スポンジマンさ!」

「今日のアドリブ超良かったよ、フノオ君!」
「フノオさんまだ1ヶ月しかたってないですけど、才能ありますよ!!心からなりきってるって感じでかっこよかったです!」
「え…ありがとうございま、す?」
ショウと雄音に滅茶苦茶褒められ、なんとなく嬉しかった俺は、もうこのバイトから抜けられなくなってしまっていたんだと思う。金が増えるのは嬉しいが…掛け持ち、続けられるのか?
「それにしてもあの少年面白かったなー!ステッカーにまた来てねって書いてポケットにいれといたけど気づくかしら」
「また来ないでいいです!!」

 おまけ
「お帰り、ケイ。…なに持ってるの?」
「この世界の勇者と共闘した証だ!!ヨウにも会わせたかったなぁ」
(スポンジマンヒーローショー、…デパートにて、「また来てね」っていつでも会いに行けるね)

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ようこそ☆亜種藍荘へ!26

久々の投稿

スマホって字数がでないから不便…

どうでもいい元ネタw
セッカイー→石灰
ライムスケイル→水垢
シトリックアシッド→クエン酸

閲覧数:164

投稿日:2012/11/13 01:29:46

文字数:1,404文字

カテゴリ:小説

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