※レン+カイト、レンリン、カイミク
※あくまで+
※さりげなくLOVE IS BLINDの設定引き継ぎ
「はぁ・・・」
「・・・・・・」
「ちょっとー、親友がため息ついてんだよ?何か声掛けてくれてもよくない?」
「親友になった覚えはねーよ。どーせ、しょうもないことなんだろ?」
「しょーもないことなわけあるか!」
マフラー巻いてるくせにアイスクリームを年中手放さないそいつは、失敬な!とばかりに立ち上がる。
つーかもううっせーよとりあえずおまえメニュー表でも見てろよって話。
「日本男児だろ!? 欲求不満でいて、それでいてため息が出ないわけが・・・」
「やっぱしょうもねーことじゃねーかァアアア!」
あぁ、神様。
今日もお空は青いです。
*** 青の憂鬱 ***
「だってよーだってよ、ミク最近俺の相手してくんねーの」
そりゃあお前みたいなのと付き合ったらそうもなるだろ。
「何言っても反応してくんねーし、深く何か考えてるなって思ったら上の空だし。心ここにあらずって感じでな?」
へー・・・あのしっかり者のミク姉が。
「別に俺やリンといるときはそんなことないけど。・・・おまえ、キラわれてんじゃね――?」
・・・ちょっとだけ、ちょっとだけ。からかってやったつもりだった。
だけど、でも。
この日の奴は、普段の乗倍でナーバスだった。
「・・・そーかな」
「え?」
「俺やっぱウザいかな」
「ちょ、カイt」
「だからミクも俺のことやんなったのかな」
「お、落ち着けって、おい」
机に突っ伏して、奴はぐったりとうなだれる。いつもらしくない。
俺はさすがに心配になって、座席から半分立ち上がり、向かいに座る奴の肩を掴んでゆさゆさと揺らしてみた。
「ほっとけよ・・・」
「いやうんそうしたいのは山々っつーか、でもさすがにそれは無理だし。とりあえずホラ、顔上げろって。ミク姉たち来るぞ?」
「・・・俺帰ろっかな」
「んなことしなくていいから!あ、ホラ、いちごのアイス来たぞ!」
なんということだ。
あのカイトがアイスクリームに反応しない!明日は槍が降るのか?やだな、まだ俺死にたくない。
普段おちゃらけた奴が落ちるとこうなるのか、面倒な。
「どうしたの?」
「ミク姉!」
カイトの肩が、びくりと跳ねた。いつもなら名前を呼んで、騒がしいほど嬉しそうに笑って飛びついてくのに。
ふ、と物足りなさのようなものを感じてしまう。
ミク姉は首を傾げて突っ伏したままのカイトの様子をうかがった。異変に気が付いたのか、ミク姉の後ろに立っていたリンも、ぴょこんと顔を出す。
「どったの?」
「あー・・・カイトが落ちてる」
「あのカイ兄が!? ・・・明日はロードローラーでも降りそうね」
いや降らねえよ。
リンもカイトの頭の影響を受けてきたのか・・・いやだ、それはすごくいやだ。
でもまぁそのことはおいおい考えるとして、問題はカイトだ。
思い直して、ミク姉とカイトに向き直る。そのときだった。
――ズコォオオオオオオオン
「バカイト!!!」
・・・念のため。今のこの台詞を吐いたのは俺ではありません。
さすがにこんなかつてないほどに落ちている奴を罵れるほど、俺は出来ちゃいないです。
「「ミ・・・ミク、姉・・・?」」
じんじんと疼く頬に手をやり、呆然としたアホ面で彼女を見上げるカイト。
顔を真っ赤にして、今にも泣き出しそうなカオして右の拳を突き上げた、ミク姉。
俺たちが何かを言う前に、ミク姉は凄まじい剣幕でまくし立てた。
「情けない!情けないよカイト!あんた私を誰だと思ってるの?あんたの知ってる初音ミクは、そんなことであんたから離れてやるような女なの?」
「ミ、ミク姉・・・」
「レンは黙っててっ!!」
「はいィ!!」
触らぬ神になんとやら。
気圧された俺をみて、リンは悟りを開いた表情でぽつり『ミク姉最強伝説・・・』と呟いた。
「カイトっ」
「はい」
「金輪際、そんなしょーもないことで悩まないこと! いい!? 今度そんなへタレたら、許してなんかやんないんだからっ」
「うん・・・」
「・・・――うん」
息も切れ切れのミク姉は、最後の方では泣き出していた。
俺は、あんなミク姉の表情は知らない。俺の知ってるミク姉はいつも強くて優しくて・・・あんなふうに癇癪を起こす人ではなかった。
だけど、それが、それこそが。ミク姉の"ホント"に近いのかもしれない。
そして、その近い部分を。
カイトが占めているのかもしれない。
いつも小動物のように、ミク姉に飛びつくカイトが、泣きじゃくるミク姉をそっと抱き寄せていた。
それが、とても大人の男らしく見えて。
邪魔してやるなと言わんばかりにリンの手を引く。一足先に店をあとにした。
***
「ミク姉ね、マフラー編んでたの」
「マフラー?」
「カイトのために、毛糸から選んで。デザインもだいぶ悩んでて、普段どういうのを好んで買ってるかまで聞かれちゃった」
さすがに答えられなかったよと、リンは苦笑する。
そうか、そういうことか。納得して、空を見上げた。
――あのミク姉が、一度好きになった人を、そう簡単にキライになるわけがない。
それくらいは、俺だって知ってるはずだったじゃないか。
「でも、ミク姉の気持ちもわかるなあ・・・」
しみじみとしたリンの口調に、俺は首をかしげた。
俺とカイトが同列。そんなばかな。そんなばかな!
「だって、レンだってそうじゃん」
「何が?」
「私が同じクラスの男子と話してたりするとさ。廊下とかとおるときにすんごい形相で睨みつけてくるじゃん」
・・・あれ。ばれてた?
いやだって。だってさ?やっぱ心配じゃん。不安にもなるじゃん。
「私そんなに信用出来ない?フラフラしそうな彼女なの?」
真剣な顔をしてリンはこちらを覗き込むようにして見上げていた。
俺はその視線に、どう応えたらいいのか分からなくて。
照れたように、顔をそむける事しか出来なかった。
「ばーか。ばかレン」
「うっせー」
大人になれない俺を、リンは笑う。
そんでも、いつか。
いつかその手をすっぽりと包み込めるくらい、器のデカい男に。
なりたいと、なれる自分でありたいと
リンの笑顔を見るたびに思うんだ。
《fin》
(ってんなこと、死んでもいってやんないけどね!っつーかマジ無理!)
「どしたの?レン」
「いや・・・とりあえずは、カイトといい勝負だなって」
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