~一章~

爭年一六年。
 それはガゼルが
騎士学校リッシェル学園へ
入学した時のことである。
ガゼルは自分の入りたかった
学校へ入学することができ、
上機嫌で入学式へ出席した。
 そこで三年間共に生活する
クラスメイトと対面した。
皆それぞれ個性があり、
まあまあな生活を
送れるだろうとガゼルは
思っていた。

ガゼルの学校生活が始まり
一ヶ月が経とうとする頃。
学校では大体同じメンバーと
話すことが多くなっていた。
 ガゼルは人と話すことは
好きではないが、
少人数との
コミュニケーションは
生きていく上で
少なからずとらなければ
ならないとわかっている。
しかし、あまり外交的でない
ガゼルは誰にも
話しかけようとしなかった。
すると入学して一週間、
クラスメイトの男子の中でも
ほとんど喋らない一人が
ガゼルに話しかけた。

「ぼ、僕ネイズといいます。
 よ、良かったら友達に
 なってくれませんか?」

ガゼルは一瞬わけが
わからなかった。
まさか自分に
話しかけてくる奴がいるとは
思わなかったからだ。
ガゼルは驚いて
しばらく黙っていると
ネイズと名乗る男子は
後ろを振り返り
何か合図を取っている。
そこにはクラスの中でも
そこそこ目立っている
男子がいた。

(おそらく何かの罰ゲームで
 こいつをオレの所に…)

とガゼルは悟った。
するとネイズと合図を
取っていた男子が近くにきて、

「オレセイル!
 良かったらオレとも友達に
 なってくれないかな?」

と言った。
ガゼルは呆れたが
適当に付き合う分には
ちょうどいいだろう。
と、呆れつつも
ネイズとセイルと握手した。

それから一週間とちょっと、ネイズ達とも
仲良くなってき始めたころ。
その日は剣術の
実技テストとあって、
クラスメイトは朝から
木刀を振り回してした。
そしてテストが始まった。
テストの内容は居合い。
入学したての者には
少々難易度が高く
藁を斬れない生徒が多い。
そんな中・・・。

「スパッ!」

と、空気を切り裂くような
音がする。
一番初めに斬ったのは
クラスの中でも成績がよい
少女ルリカであった。
ルックスには少し欠けるが、
天才に最も近いのではないか
と周りに
はやしたてられていた。
ルリカはすました様子で
教官に頭を下げ、席に戻る。
次はネイズの番。
ガゼルの予想通り、
案の定ネイズもセイルも
藁を斬ることはできなかった。 そしてガゼルの番。
ガゼルは腰に差していた
剣を鞘ごと取り出し、
胸の前に手を伸ばして
剣を地面と平行に構える。
数秒の沈黙。
シュンと音をたて、
藁は真っ二つに
切り裂かれていた。
沈黙はざわめきへと変わる。
ガゼルの居合いは教官から
教わった方法とは
別だったからだ。
テストの後、ガゼルは
教官にこっぴどく叱られた。
その日の放課後。
ガゼルが誰もいなくなった
教室を出ようとすると、

「あんたの剣技凄かったわね。
 良かったら
 友達にならない?
 ならないならあんたを
 斬るよ」

と、ルリカが話しかけてきた。
ガゼルは戸惑いながらも
了承した。
次の日から
ガゼル、ネイズ、
セイル、ルリカと一緒に
行動することが多くなった。
 ガゼルとルリカは
クラスでもダントツに優秀で
教官とともに、
魔物(モンスター)狩りに
行くことも多かった。
 それとは逆に
ネイズとセイルは
初めは落ちこぼれだったが、
本人達の努力で
なかなかに成長してきた。
そこからさらに時は流れ、
爭年一八年。事件は起きた。

ライセンス

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一章

閲覧数:103

投稿日:2011/02/21 15:52:36

文字数:1,502文字

カテゴリ:小説

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