見上げれば、月
すれ違う人波は、私をすり抜けていく
雑踏の中に 置き去りにして
すべてを無視して あなたの元へ
そこにいると信じて
信じて疑わなくて…
「あなたのためだけ…」
困らせることさえ、気づかなくて
鏡は罪を映して 私のすべてを責める
あなたに触れた指先から
すべてが消去されていくのなら
あなたに触れる前に
私のすべてが消えればいいのに
言い尽くして 泣き尽くして
騒ぎだす気持ちを押さえつけ
滑らす肌に 指は落ち
あなたの熱い吐息だけが
部屋に響く
残された私の
音のない溜息
無音の慟哭
溢れだす、夜
ふと怖がるように、私はいつも逃げる
夜に抱かれ 月に隠れ
彷徨うように あなたに導かれ
心を預けても
すべては届かなくて…
「あなたのためだけ…」
迷わすことさえ、気づけなくて
夜は罪を隠して 私のすべてを責める
あなたが触れた指先から
すべてが消去されていくのなら
あなたが触れる前に
私のすべてを消せればいいのに
知り尽くして 抱き尽くして
暴れだす気持ちを押さえつけ
濡れる肌に 瞳を閉じ
あなたの熱い吐息だけが
部屋に響く
残された私の
音のない溜息
無音の慟哭
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