タラタラ ／ 結月ゆかり

　タラタラ

どうせ愛したって無駄だって
　君には悪いけど
　
　規制だらけのこの世界
　近づくことすらままならない　まるで磁界
　理性　怠け者の世代
　風評被害だね　生まれ変われるまで、次回
　
　例えばあの子が好きだとしても
　君を選ぶは合理的
　例えばあの子を好きでいいなら
　君には悪いけど　不合理だ

　どうせ「愛したって無駄だ」って
　この世間は言うんだ
　あの子を好きにならないように
　君を繋ぎ止めてるんだ
　どうせ相容れない存在だ
　ダブスタもいいとこだよ
　あの子を好きにならないように
　君と私を裏切るんだ
　
　嗚呼
　
　気がつけば目で追うあの黒髪
　身近なだけになんとなく申し訳ない
　君は魅力的だと思う
　だけど、あの子とは決定的に違う
　
　優しくて　かわいくて　明るくて　前向きで
　いい匂いもするし　君よりよっぽど長く隣にいた　
　だけど君は　まぁ、不満はないっちゃない
　でも、強いて言うなら　
　まず、目線が遠いんだよ
　
　どうせ　
　愛し合って結ばれてなんてのは特権だ
　あの子を好きにできないように
　心までは好きにできないのに
　狭い価値観で決まった
　国家公認のパートナー
　あの子に隙ができないように
　どこにも隙間なんてないんだ
　
　嗚呼
　
　大した違いじゃないはずなのに
　どうして悩まなきゃいけないの
　嘘吐きは苦しいんだ
　二足のわらじでコケるんだ
　二兎追って胴が裂けるんだ
　
　あの子を好きにならないように
　君には悪いけど　君といるよ
　
　「どうせ愛したって無駄」なんて
　そんなのきっと思い込み
　あの子を好きになれたら
　いや、そんなこと考えるな
　
　どうせ愛したって「無駄だ」って
　この世間は言うんだ
　あの子を好きにならないように
　君を繋ぎ止めてるんだ
　どうせ相容れない存在だ
　ダブスタもいいとこだよ
　あの子を好きにならないように
　君と私を裏切るんだ
　
　嗚呼
　
　いっそ、あの子が「気持ち悪い」って一蹴してくれたら
　いっそ、君が「お前なんか知らない」って突き放してくれたら