君には伝えていないけれど

僕には余命がある

それは本当に短くて

君が20歳になる時

僕はもういないだろう



小さな小さな青い花

あの花は今もあそこに咲いているだろうか

そもそも あれは実在していたのだろうか

君と僕だけが見た

幻じゃないのかと思うほど

あの花は美しかった



君を思うほど涙が止まらない

僕は君と一緒に生きられないのだと

分かっているのに

生きたいと

人生を歩みたいと

思ってしまうのは僕の我儘





君に僕の余命を伝えたら

君はどんな顔をするだろうか

無表情?

驚いた顔?

それとも……

無理に作った笑顔?



君を思うほど涙が止まらない

密かに描いていた未来が

ジクソーパズルのように崩れて行く

僕はもう

夢を見ることを許されない



君と歩むはずだった僕の未来は

たった一言でもろく崩れた

“足元が崩れる感覚”

それはこのことを言うのかな



僕が空へと旅立つ前に

君ともっと思い出を作りたい

僕が空へと旅立つ前に

君の笑顔を僕の瞳に焼き付けたい

そして出来ることならば……

君の中に“僕”という存在を

焼き付けていたいんだ……




君には伝えていないけれど

僕には余命がある

それは本当に短くて

君が20歳になる時

僕はもういないだろう

それでも

僕はずっと君を見守っているよ

君が幸せになれるように

僕はずっと願っているよ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

無題

閲覧数:73

投稿日:2012/08/16 23:55:01

文字数:626文字

カテゴリ:その他

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