はじまりの世界。
舞い散る粉雪が狂い咲きの桜のように見えた。

真っ白の世界。
私とあなたの深紅(あか)で染まる。

罪深い歌を歌って。
罰を請いなさい。
永遠の海の上で静かに眠りなさい。

赦されない感情だと知っていたなら
何故二人を出逢わせた？
偽りの世界で愛に溺れ
朽ちていく花のように。




一人きりだと思っていたのに
不意に触れた手の温もりが忘れられないの。

交わした口付けは猛毒のように
身体中を駆け巡り、甘い甘い爪あとを残す。

罪深い歌を歌って。
その喉が燃え尽きるまで。
永遠の愛の中で苦しみ死んでゆけばいいわ。

何も変わらないのだとわかっていて
何故二人は恋に落ちた？
つまらないプライドなんて捨てて
狂ってしまえたらよかったのに。




あぁ、本当はわかっていたの。
涙も流せない私をどうか許して。
あなたの温もりに抱かれて、
今日も一人で夢を見るわ。



罪深い歌を歌って。
永遠の愛を誓うように。
たとえ罰を受けようと、二人なら怖くはない。

叶わない願いだと知っていながら
何故あなたは願ったの？
理由なんてわかってる。

私もあなたを、愛しているわ。