私の話をしよう
目覚めたとき周りはぐちゃぐちゃだった
壊れた建物　たくさんの死体
私の足もつぶれていた

たくさんの人が死んだのに
たくさんの建物が壊れたのに
私は死ななかった
地震があったと教えてくれたおじさんは
傷口からウイルスが入って死んだ

家族がいると聞いて行った避難所では
冷たくなった家族が寝ていた
もう起き上がることはないらしい

私は考えた
なんで私だけ
優しかったおじさんも
大好きだった家族もみんな死んだのに

日常が戻ってきた
友達は変わっていた
いつもびくびくしていたり
笑わなくなったり
喋らなくなったり

なんでもできるようになった男の子もいた
あの子も地震が怖いのだと思った
少しずつ時が流れて
前と同じような毎日になったある日
私は死んだ

風邪が悪化して死んだ
すごく喉が痛くて頭もぼーっとしてて
この辛さから逃れられるならいいと思った
なにより家族に会いたかった

それなのにここはどこですか
私は死んだはずなのに
めざめたらクラスメイトとともに
全く知らない世界にいた