ふたつに分かれた足音　　　吐き捨てた意地尽くに
ふるわぬ時針に　　　　　　巻き込む肢体
裂けぬ指先から　　　　　　聞き捨ての看取り
こぼれた意味　　　　　　　繰り返す罅

巻きつけた白無垢に　　　　届かぬ爪痕
綴じ込む悟り　　　　　　　進まぬ磁針は
言いつけの通り　　　　　　知らぬ後先から
繰り返す栞　　　　　　　　離れた染み


吸って　吐いて
転んで泣いて
続けて問うて
まだ逆らって

踏んで　蹴って
叩いて泣いて
進んで乞うて
また躓いては

取って　去って
騒いで泣いて
包んで添うて
さらに募って

切って　貼って
荒んで泣いて
抓んで背負うて
そして祈ったら


きみをみたした　　　　　　なにも見えない、
すきまかぜの背(せな)　　　聞こえないきみに

「これから　これから？」　手向けるものもなにひとつ
言い出せないけれど　　　　持てないな　な　な　な！


ふたつにさかれた足元　　　脱ぎ捨てた為尽くに
たゆまぬ指針に　　　　　　抱き込むみたい
長けぬ舌先から　　　　　　書き捨ての千鳥
こぼれた日々　　　　　　　繰り返す意地

書きつけた嘯(うそむ)きに　続かぬ足跡
射し込む光　　　　　　　　かじかむ羅針は
縫いつけの道理　　　　　　消えぬ肩先から
繰り返すひとり　　　　　　爛れた意思


吊って　巻いて
撓んで泣いて
疎んで這うて
まだ逆らって

買って　売って
淀んで泣いて
妬んで追うて
また躓いては

結って　解いて
傷んで泣いて
眩んで遭うて
さらに詰め込んで

刷って　掃いて
畳んで泣いて
歪んで飽いて
そして祈ったら


きみをみだした　　　　　　なにも見えない、
すきまかぜの穴　　　　　　聞こえないきみに

「これなら　これなら？」　話せることもなにひとつ
聞き取れないかな　　　　　ないのにな　な　な　な！

きみをみたした　　　　　　なにも知らない
咳(すわぶ)きと明日　　　　知り得ないきみと

「これから　これから？」　交わせることもなにひとつ
戻れやしないけど　　　　　ないのにな　な　な　な！


　　　　　　　　　　　　　ないのにな
しないけど