![ジャケット](/r/images/card/600/miku.png?20241011)
「狐面の君は」 作:すまき
浴衣羽織り お端折り作り 帯結び
藤下がりの髪飾り付け 紅をさす
心躍る鏡の前の自分
下駄履いて戸を開ける
外は残暑の匂いがした
笛の音が響く祭囃子
はしゃぐ声が心熱くする
駆け出した目に映ったのは
狐の面をした誰かだった
山鳩色の浴衣に身を包み
懐かしそうにこちらを眺め入る
ぼんやりとしたまま手を引かれ
見覚えのある誰かが言った
「やっと見つけたよ」
辺りが静寂に包まれる
笛の音といつかの声だけが聴こえる
面を取った瞳は今でも
脳裏に熱く焼き付いていた
いつの間にか祭りも終盤
周りの人は皆家路に着く
去る祭りを追いかけるように
隣に居た君は消え去っていた
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