三月の風
帰り道には いつもと同じ
人の群れが列を成し 自然と倣(なら)う
これから先は 歯車として
規則正しい規律(リズム)で
行進(ある)いてくのか
そんなのはゴメンと
全てをかなぐり捨てて
自分らしさとやらを手当たり次第探してみたら
「あなたにはあなたの良さがある」と
撫でてくれた人がいたこと
思い出せた
沸き上がる歓声と
巻き起こる焦燥が
終わりと始まりを隔てたら
その壁の頂(うえ)で
一人ただ静か
春が来るのを待っている
あなたの歌が聴こえた
それはどこか嫋(たお)やかで
三月の雨のように
僕の心に染み渡っていった
煩(わずら)わしいのに優しくて
狂おしいのに穏やかな
三月の空に似た
僕の翳(かげ)りを晴らす声でした
ちょうどこんな感じの歌でした
道の先にも道しかないなら
道から外れたとてそれも道だろう
眩しい陽差しが今
全てを審(つまび)らかにして
凍えそうな心閉ざした誰かの叫びを消し去った
「あなたにはあなたの個性(いろ)がある」と
生きる術を教えてくれた気がしたんだ
あなたの歌が聴こえた
それはどこか儚くて
三月の薄日のように
僕の心を柔く包んでいった
新しいのに懐かしく
冷たいようで温かな
三月の風に似た
僕の背中を押した声でした
ちょうどこんな感じの歌でした
あなたの歌が聴こえた
それはどこか激しくて
三月の嵐のように
僕の心を掻き乱していった
新しいのに懐かしく
冷たいようで温かな
三月の風に似た
僕の背中を押した声でした
ちょうどこんな感じの歌でした
この壁の頂(うえ)で
今はただ静か
春が来るのを待っている
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