髻華 / 初音ミク

鐘駒英仙

絹をまとった　たぐるその手に彩る
から紅の　濡れた花弁がはりつく

滲む月夜　優しさを抱いた
あなたの音色が　風に混ざっていく
ただ寂しくて　悲しみを抱いて
夢から醒めたら　消えてしまうから

絡む　蔦が　わたしを
掴み　離さない　ままで
髻華を　挿した　あなたは
遠く　昧爽を　待っている

いずれ融けて消えてしまうならばわたしはあなたの
声を　感情（うた)を　香りを　全部閉じ込めてしまいたい

託つ　軀
眩む　瞳
堕ちる　先は
形骸の夢

重なる記憶は　めぐる季節に綾なす
浅葱色ゆれて　あまねく風にたゆたう
絹をまとった　たぐるその手に彩る
から紅の　濡れた花弁がはりつく
あなたの軀を　抱いて