「あっ! モコさーん!」
クロック通りのスクリー道路沿いの公園に、モコがいるのを見つけたジミは、息切れしながら駆け寄る。
「こんなところまで逃げるなんて・・・どうか、しましたか?」
「・・・毒」
「え?」
「毒薬・・・入れたのに、何でっ・・・」
「ええっ、モコさん、大胆ですね!」
悔しそうに言うモコに、ジミはなんだか場違いなことを言う。
「・・・なのに、冗談言うし、・・・ほんと、アカイトさんって、デリカシーが無いんですから・・・・・最低です」
「・・・そうですね。ところで、今日って、何月何日ですか?」
「え? ・・・8月31日ですけど」
ジミの突然の問いに、モコは首を傾げて答える。
「8月31日といえば、恒例の夏祭りがあるんですよ! 確か、審査員に選ばれた方は、2人っきりで夏祭りを楽しめるんです!・・・さあ、戻りましょう、モコさん?」
「・・・・バンさんが相手じゃ、私に勝ち目ありませんよ」
「・・・そんなの、分かりませんよ? 逃げるんですか、モコさん」
「・・・・・・・・・」
モコは、ジミの表情に少しも冗談が無いと分かると、ため息をついて、
「・・・・・・・分かりました、戻ります。ただ、もし私が負けた時は、」
そこで、少し顔を赤らめ、
「・・・慰めて下さい」
「いいですよ。・・・あ、私も負けた時、・・・って、あっ!」
「どうしました?」
「私、そういえば審査員でした・・・」
「・・・じゃあ、対決が終わったらですね」
モコは、俯いていた顔を上げて、にっこりとしたのだった。

「「あ、モコさんとジミさん、お帰りなさいませ~!」」
再び帰ってきたモコとジミを見て、収録を終えたばかりのムウとフワが声をかける。
「・・・ご迷惑おかけしました」
ぺこりと頭を下げるモコに、
「「いーえいえー、いーんですよぉー、私のお嫁さんになってくれるなr「ふざけるな、ロリコン主義者2名」
収録も終わり、舌が軽くなっているのか、何やら危ない発言をする2人にアカイトは突っ込む。
「「あーら、何かばってるのよ浮気さんー」」
「いいだろ・・・別に」
ふいっとそっぽを向くアカイト。
「・・・すきなの?」
とてとてと、アカイトに近寄り、たずねる雨羽。
「・・・・・それは、いくら可愛い雨羽でも、聞いちゃだめだぞ?」
「・・・・・そっか」
雨羽は、素直に頷く。
「そうか、分かってくれるk「すきなんだね」・・・・」
「すいません、雨羽が迷惑かけちゃって」
そこへ、マツキが雨羽の変わりに謝る。
「・・・僕の名前呼ばないでよ、きえちゃえな人」
雨羽は可愛らしい瞳で、マツキを睨む。
「いいえ、雨羽さん」
雨羽の言葉に、モコが首を振って、
「マツキさんは、きえちゃえな人じゃないですよ。本当に、きえちゃえな人は・・・、」
モコは、そこまで言って、アカイトを見て指差す。
「あのアカイトさんですよ」
「なああっ!? モコおおおおっ!??」
「・・・あの人が、本当にきえちゃえな人・・・」
「あっ、雨羽!? 本当にきえちゃえない人なんて、この世界にはいないんだぞ???」
「いますよ。・・・だって、アカイトさんのパフェに毒薬仕込んだの、あれ私ですから」
「・・・・・・? モコ、何、言ってるんだ?」
「私、こう見えて、毒物には詳しいんです。だから、隠し持って、入れたんですよ本当です」
「・・・・・? 毒? モコの作ったパフェに、毒? ・・・え?」
「なのに、毒薬は効き目が出なかった。だから、アカイトさんは冗談を言えたんです」
「へ、へえー、そうなんだ、だから俺冗談を言えたのか・・・。でも何で、その毒薬は効き目が出なかったんだろうな?」
「それは簡単です」
アカイトは疑問を呟いた時、マニがやって来て言った。
「何が、簡単なんだ? マニ」
「一言で言うと、」
マニは一呼吸おいて、
「モコさんの言うことは、間違っています」
「えっ・・・!?」
「・・・」
アカイトは、マニの言葉に驚くも、モコは黙ったままだった。
「・・・・・・元々、モコさんが、毒物を持っているはずが無いんですよ。それに、モコさんが毒物に詳しいっていうことも、嘘です」
「えっ、でもでもぉ、私とムウさんは、確かにモコさんが毒物入れるのを止めたんですよぉ? ・・・あれが毒物じゃないとしたら、一体何なのですかぁ?」
フワが困ったように呟く。
「砂糖水です」
「砂糖水・・・」
「モコさんは、砂糖水が入ったびんに、毒物、と書いたんです。そうすれば、中身を知らない人は勘違いしますからね」
「「なるほど・・・」」
「・・・でも、分からないんです」
マニはそう言って、モコを見る。
「何故、そんなことをしたのか、です」
「・・・・・・何故って、そんなことをするのに、理由なんて要りますか? マニさん」
モコはマニを見つめて言った。
「それは、分かりません。理由なんて、所詮は結果論ですから」
「だったら・・・」
「でも、そんなことをする必要は無いんですよ」
「・・・」
「する理由が要るんじゃなくて、する必要が無いんです。・・・分かりますか? モコさん」
黙り込むモコに、マニは言った。
「・・・分かりました、マニさん」
そう言って、モコはアカイトを見て、
「すみませんでした。・・・嘘もついたし、砂糖水も入れちゃったし」
「そんな気にするなよ、モコ。・・・確かに、嘘をつくのは悪いけど、砂糖水は別に謝ることはないぜ。それに、全部、俺のためだろ?」
アカイトはモコを見つめ返して言った。
「・・・べ、別に、アカイトさんのためなんかじゃないです・・・っ!!」
何やら顔を赤くして、モコはさっさと行ってしまった。
「・・・・・これぞ、ツンデレの鑑よね!!」
「アカイトにゃーんは、女の子をたぶらかすのはやめた方がいいにゃんよ」
ナエルの隣にいたタマは、怒ったみたいでアカイトを睨む。
「・・・そうだな、タマ。でも、俺女の子たぶらかしたこと無いんだけど」
そう言って、アカイトは苦笑いしたのだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【亜種コラボ小説・長編】 モコの毒薬事件騒動(?)をみんなで 【カット編】

こんにちは、お久しぶりです!
さて今回は、いよいよモコちゃんの毒薬事件(?)です!
事件なのかな? よく分からないので『(?)』を使っています><

次回は、未投稿分のエピソードです、お楽しみに!

閲覧数:41

投稿日:2010/09/20 10:59:23

文字数:2,470文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました