S
海の底に来たあなた様
過ぎた時に気付かぬように
A
太陽の光差し込む
辺りは青い海の中で
亀の背に乗ったあなたを
迎え私は微笑んでいた
B
「お礼がしたい」と招く前から
あなたのことを慕ってました
「助けた亀」など偶然の口実
ただあなたにこの気持ち打ち明けたくて
S
海の底に降る恋時雨
あなたと2人で3年間
舞い踊る魚の群れの光
海の藻もかすかに揺れていた
A
竜宮城での生活は
欠けてるものなど1つもないが
外に出られない退屈さに
家族や友達を思い出す
B
陸の世界が恋しくなった
あなたは空を見上げてため息
どうぞ行きなさい、私に構わず
あなたを止める術などないのですから
S
海の底を去る想い人
この玉手箱をさしあげます
くれぐれも開(ひら)いてはなりませぬ
過ぎた時がそこにあります
藻のように揺れる愛(かな)しい思い
波にさらわれ貝の中眠る
C
箱が開(あ)く事がなければ
あなたにまた会える あぁ
S
陸の上につくあなた様
箱を開けてしまったようね
たちまち煙に包まれる様
海の底から眺めていた
S
海の底で芽生えた恋は
あとかたもなく泡になった
それでもあなたがいた700年
忘れることなどないでしょう
涙の味 深海の青
箱の中置き去り恋心
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