夏の夜、暑くて眠れないままにスマホの画面を眺める。
最近の検索履歴は『占い』とか『相性診断』の言葉で埋まっている。

「今回の結果がよかったら…」
「姉ちゃんうるさい、また相性診断なんかしないで告ればいいのに」
「でも振られるの怖いじゃん…そらはどうやって告ったの?」
「何回も言いたくないですっ」
「いいじゃん減るもんじゃないし…」

結果がよかったら明日告白しよう!
そう決意して、相性診断をすると…。

『おめでとう!みつと舞子は相性抜群です!』

やっぱり告白するしかないのかな?と思うと恥ずかしくて、じっとしていられなくなる。
そのことばっかり考えて足をジタジタしていると。

「カゲミツなら即オッケーだと思うぞ~」

兄貴が部屋を勝手にのぞきに来た。

「「帰れ!ハゲ兄貴!」」

そらと一緒に、枕を投げたら逃げ去っていく。

「手紙でも書いて渡したらー?」
「てがみ?」
「ラブレターよ」
「らっ!?」

ラブレターって!そんな大胆な…。
でも口で言うよりはいいかもしれないけど。
でも…でも…。

「じゃっ、わたしは寝るから。うるさくしないでねー」

といってそらは早々に布団に戻る。
あー…どうしよう…。

-次の日-

ラブレター作戦か、直接呼出しか決まらないまま授業を受けると集中できない。
せめてノートをとるふりをしながら授業を受けてると。
隣の子が、紙飛行機をつくってそれに何か書いてるのが見えた。
これだ!
そう思って、文を書こうとしてもまとまらない。
もうどうにでもなーれ!という思いで紙に「屋上」とだけ書いて投げた。
後は待つだけ…。
そういう思いで昼休み終わり際まで待つと扉が開いた。

「おそい!」
「昼休み終了も近いですし、手短に、何かありましたか?」
「そうやってあなたはもう…いう!いうから待ってね!」

告白するって決めて、いざみつを目の前にすると、顔が熱くなるのがわかる。
落ち着かない、顔から火が出そう。

「すぅーーーーはぁーーーー」

深い呼吸をして、少し落ち着いたうちに言える言葉だけを言おう。

「すき!!!」

言えた…!そう思うと涙があふれだしてくる。
嬉しいはずなのに、なんで泣いちゃうんだろう。
みつの顔が見えない、声も聞こえない。

「うぇええええん…好きなのぉ…」

そう言葉にすると、少しだけ涙が落ち着いてようやっと顔が見える。
みつの口元が動いたときに…。

『キーンコーンカーンコーン‐』

予令が鳴った。

「え、聞こえなかった!なんて言ったの!?」

問い詰めてもみつはただ笑うだけ。
あたしの涙も引っ込んじゃった。
でも、みつが笑って側に居てくれるのが一番幸せだなって感じながら。
教室へと帰っていく。

「やっぱりなんていったの?教えてよ!」

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あまあまでとろとろ(舞子の場合)

思ったことを思ったままに
一昔前の携帯恋愛

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投稿日:2022/01/15 16:02:02

文字数:1,162文字

カテゴリ:小説

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