それから、みんながそろったのは、あれから30分くらい後のことだった。
「・・・やっぱり皆そろうと、騒がしいな」
傍観組の、アカイトがぼそっと呟くと、隣(色んな意味で)にいるバンは頷いた。
「そうだな。早く、アカイトと2人っきりになりたいものだ」
「・・・戯言として受け取っとく」
アカイトはそう言いつつも、僅かに頬を赤く染めた。
その時、アカイトのポケットから着信音が、鳴り響いた。
「もしもし?」
アカイトは神業とも言える速さで、携帯を取り出し通話ボタンを押す。
「・・・ああ、目印?110番の看板が目印だ。・・・笑うなよ、それでここへ来た女の子だっているんだからな?」
「それって、片思いのあのこよねっ!?」
電話中にもかかわらず、人の恋路を応援する恋路娘である、ナエルが横からしゃしゃり出る。
「ななななに言ってるんですか、ナエルさんっ!!私のことなんて、ほうっておいて下さい!!」
片思いのあのこに当てはまるのかはさておき、何故かモコが慌てたようにナエルの口を手で塞ぐ。
「んぐぐぐぐぐ、んんぐぐぐぐっ!」
もはや何を言ってるのか分からないナエルは、口を塞がれても、黙る気は無いようだった。
「・・・ん、なんか騒がしいって?ああ、ごめん。ちょっと色々あってさ・・・え、大変?いや、別にそんなことはないんだけど・・・・あ、看板見つけたか?じゃあ、そこのドア開けていいから」
そう言って、電話を切って携帯を閉じてから、
「いっつもは、いつ来るか分からないんだけど、今回だけは分かるんだよな・・・ほら、来た」
と、楽しそうに言った。
「こんにちはー」
最初に、幼いソプラノめいた高い声でドアを開けて来た女の子は、部屋にいるみんなをぐるっと見回して、にこっとはにかんだ。
「かーわーいーいー・・・!」
と、フワとムウが呟いた。
「・・・こんにちは」
次に、アルトのような低い声で姿を現した背の高い男の子は、若干ぶっきらぼうな口調で挨拶した。
「・・・かっこいいですね」
「そうですねー」
モコが少し顔を赤くして呟いた言葉に、ジミは頷く。
「・・・・む」
それに嫉妬したレトは、ジミの服の裾を掴む。
「ん、あ、ごめんね、レト君。・・・大丈夫、レト君は可愛いんだから、ね?」
「・・・うー」
ジミが優しく言い聞かせると、レトはまだ少し不満そうだったが、服を掴むのをやめた。
それで、最後に入って来た女の子は「うー」と、言いながら、不安そうに部屋の中を見回す。
「・・・・あっ!お前・・・」
「うー!ラクにぃっ!?どーしてここにいるのー?」
女の子は近寄ってきたラクに抱きつきながら、たずねる。
「俺は、・・・あれ?何でここに来たんだっけ???・・・あ、確かそこの髪が赤い人のマスターに遊びに来ないかって言われたんだっけ・・・」
「へー、あの人ー?」
女の子は、アカイトをびっと指差す。
「おー、よく分かったなぁー♪この可愛いやつ~♪♪」
そう言って、女の子のほっぺたをぐにぐにして遊ぶラク。
「うへへへ~、ウサはねぇー、ラクにぃのことなら何でも分かっちゃうんだよぉぉぉ~♪」
女の子も大して反抗せずに、されるがままになりながら言った。
「じゃあ、俺もう彼女作れないなーーー、じゃ一生独身か俺なんだか悲しくなってきたー」
「だーいじょうーぶー、だってだって、ラクにぃには私がいるんだもーん」
「そっか、そうだよなー。何俺悲しみに暮れてたんだろーなー。そっか、そうだよなーー」
・・・その後、一部要約すると、「そういえば、ウサって今まで何してたんだ?」だの「んー、私は今までどーりの生活送ってたよーー」だの色々会話をした。・・・部屋にいる人たちは仲良くほのぼのと話をする2人の間に割り込もうとはせず、ただ微笑ましく見守っているのだった。
最終的に、「ラクにぃ、大好きー」「うん、俺も大好きー」という言葉で、約26分に渡るラクとウサという見た目からしてうさぎうさぎしている女の子との会話が、ひとまず終了したのだった。
「あ、何かごめんな。ウサと話すと、ついつい話し込んじゃうんだよなー」
「ウサもどうかーん」
ラクは、今まで何も言わずに見守ってくれた人たちに言い訳めいた言葉を言いながら、軽く頭を下げる。ついでに、ウサも同調するように頭を下げる。
「・・・いえいえ、そんなことないです~♪とっても素敵なお二人ですね~、萌えました~~~♪」
「私もですー♪」
フワとムウが、とてもにこやかな笑顔で聞き捨てならないことを言う。
「萌えたって、普通言っちゃだめだろ・・・」
グルトが、ぼそっと呟く。
「でも、二人は気にしてないにゃーんよー?なら、いいんじゃにゃいのかにゃおん???」
ミンは意地悪く呟く。
「これがいわゆる、禁断の恋ってやつ?よねっ!」
ナエルがびしっと何かを決めるように、断言する。
「そ、そうなのかわん?ちがうと思うわん」
「絶対違うにゃーん」
犬と猫が、そろって否定した。
「・・・あ、リアにゃーん」
ウサは、控えめに微笑むリアの姿を見つけて、手というか腕を振る。
「なんか私のキャラがパクられたにゃーんにゃーん」
リアにゃーんの、にゃーんに反応して、一人嘆くミン。
「こんにちは、ウサちゃん。相変わらず、こんなやつと遊んでくれるなんて、優しいのね」
「ううんー、ラクにぃかっこいいもーん。それにおもしろいしー。でも、リアにゃーんの方が好きだからねー!」
無邪気に呟かれた言葉に、
「んー、一体どのお口が言ってんのかー?」
「うー、ひゃくひぃい、ひゃんふぇーん」
どうやら、「うー、ラクにぃ、かんべーん」と言っているようだ。
「もう、可愛いウサちゃんに何してるのっ!あーあー、こんなにほっぺた赤くなっちゃって・・・大丈夫ー?」
ウサのほっぺたをまたぐにぐにと遊ぶラクを叩き、ウサから遠ざけてウサのほっぺたを見て心配するリア。
「うー、・・・大丈夫ー」
少しほっぺたが赤くなっていて、やっぱり色相応に痛いらしく、ウサの声に少し元気がなかった。
「もう、ラクったら・・・」
「でも、別にラクにぃだったら、どんなことされてもいいもーん!・・・あ、もちろんリアにゃーんもねー♪」
はしゃいでいる内に、再び声に元気が戻っていく。・・・まぁ、さすがにほっぺたは赤いままだったけど。
部屋の片隅で、アカイトとバンと傍観組は、ソプラノな女の子とアルトな男の子と話していた。
「私は氷音ピノです。アイスはもちろんのこと、ペンギンも好きです」
「へー、ペンギンか・・・。・・・そういえば、マスターの部屋にペンギンの縫い包みがあったな」
「アカイトさんのマスターも、ペンギン好きなんですか?」
「そうだなぁ・・・、マスターが、じゃなくてその縫い包みが、好きそうだったみたいだ」
「・・・え?」
「あ、こんなこと言っても、分かんないよな。その縫い包みとパンダの縫い包みはな、マスターを巡っての恋敵なんだ。・・・笑えるだろ?」
「そうですね・・・おもしろいかもです」
「そうだ、今度マスター来るからさ、その時に持ってくるように言っとくからな」
「分かりました」
「それで、そちらは?名前はなんていうんだ?」
バンは男の子の方に、話を振る。
「俺の名前は、氷音ダッツ。名前から分かると思うだろうが、好きなものは、アイスのダッツ。それから、妹と同じでペンギン。それくらいだな」
「兄妹そろって、ペンギンが好きなんですね・・・あ、髪とかが水色で、ペンギンに似てるからですか?」
観察眼が意外と鋭いミドリが言う。
「そうらしいけど、ほんとのことは分かんないんだ。だって、マスターが言ってたことだからな・・・」
「マスターも、ペンギン好きなんですか?」
ただいま絶賛モノクロ中のシキが質問する。
「さあ、・・・ピノはどう思う?」
「んー、分かんない」
「そうか。・・・あ、ピノ、この間ペンギンアイス無いーって騒いでたろ?」
「うん」
「あれ、食べたの俺」
「・・・・・ダッツのばーかー」
今にも泣きそうな表情で、ピノが言った言葉はそれだけだった。
「酷いですね、可哀相ですピノさんが」
ピノとダッツのやり取りを見て、ロリ少女であるマニが批判する。
「あー、悪いな。俺、妹いじめるの好きだし」
そう言って、にっこり笑いかけるダッツ。
「うわ最低ですね」
マニはその笑顔に見とれることなく、ばっさりと切り捨てる。
「・・・別に、いいんです。これが普通ですから・・・」
「いーえ。これは、妹の敵なのよ?そんなのを、私断じて許さないからっ!」
どーん、という効果音が似合いそうな感じでマニは宣言した。
「おお、マニちゃん成長したなー」
出会った頃は可愛いという印象しかなかったが、こんな熱い一面もあるのだと、アカイトは密かに感動する。
「んー?妹?誰の?」
「妹属性ということです」
「ということは、ピノに味方するってことか?」
「そうですよっ!」
きっぱり頷く、その潔さが頼もしく見えるとアカイトは心の中で思っていた。
「そんなことしたら、マニさんにまで迷惑が・・・」
ピノが申し訳なさそうに言う。
「いーのいーの、気にしないで?」
マニはピノに優しく笑いかけると、ピノもマニに笑い返すのであった。
こうして、色んな騒動が一度に起きて、また今日が過ぎていくのだった。
一応、続く!
【亜種コラボ小説】 ウサとピノとダッツの登場で新たな騒動をみんなで
こんにちは!最近妙に楽しいもごもご犬ですこんばんは!
今回は新たに3人のマスターに協力してもらいました!ありがとうございます、これからよろしくお願いします><
最近自分の作品を見ていると、やたらフリーダムだなと思いました。ま、フリーダム好きだからいいんですけど。
それで、・・・なんと、登場人物が20人超えてしまいました!一体何人になったらストップするのだろうか・・・。っていうか、あと10人そこらで学校のクラス1つ分になりますよね?・・・なりますよね。そしたら学パロとかしたら楽しそうですね・・・なんて、今思いついたネタなんですけど(笑)
感想・要望くれるとすっごい嬉しいです><
次回も、また人増えてるかも・・・。
それでは!
コメント2
関連する動画0
ご意見・ご感想
ナヅキ
ご意見・ご感想
ものすごく面白かったです!
個性的な子ばかりで……沢山笑っちゃいました、もう爆笑ものですw
ピノの事を守ってくれる子も出来て…うらやましいです←
マニ様万歳!w
ダッツに敵が増えたことも何かうらやましかったり…。
書いてくださり有難うございます、ブクマ頂きます!
2010/06/13 20:53:39
もごもご犬
>PiNO@ナヅキ(ぴな吉)さん
面白かったは最高の褒め言葉です><
あと、可愛いとかも!
この話は全体的に楽しく面白くなるように・・・ではなく、自然と書いてたらそうなったと言った方が正しいです(笑)
ダッツくんはピノちゃんをいじめるのが好きだから、つい対抗してみました!←
そしたら思ったよりマニちゃんが責任感に燃えたので、初登場の時から成長したなと少し感心してしまいました!^^
ダッツくんにとっては、マニちゃんは敵、なんでしょうねww
これからも出てくるので、この次も見て下さると嬉しいです♪
ブクマありがとうございました!
2010/06/15 19:05:22
馳烏(はせを)
ご意見・ご感想
どうも; ウサと遊音sのマスター(?)の鴉裏守です。
ウサとラクのほのぼの会話萌えましたー!!!
ウサとリアもおいしいです^^
とにかくここのウサはめちゃくちゃ可愛い><
書いてくださって有難う御座いました!
2010/06/12 13:37:36
もごもご犬
>鴉裏守(はせをP)さん
こんにちは!
萌えて下さったようで、書いたかいありましたー!><
やっぱりほのぼのも書いてて楽しいです!
あ、でもちょっと危ないのも・・・←
ウサちゃんは可愛過ぎるので、上手く書ききれるかわかんなかったんですけど、そう言っていただいてすっごく嬉しいです!^^
個人的にウサちゃんは、うーうー言ってればいいと思います★
これからもよろしくお願いします!それでは!
2010/06/13 12:57:37