遊んで試して熟さないように捨てて
かよわく演じた眼の中に
恋は物言わぬように
なんて…仕方ないから肯いたわ
剥き出しの痴情と
冷えたままの指先
だったら ねぇ
子供騙しだね、って微笑んで
あの子の知らないところへ連れてって
二人の秘め事 背中に描かせて
四肢をなげうち何もかも預けたい
ただ、あなたに
可愛くなれないこの爪が嫌いだった
泥まみれのショーウインドウ
お粗末に着飾っても
やがてボロが出るものだわ
正しく舗装された道遠く
並び跳ねる ふた揃いの靴を見送った
静けさ冴え渡る夕暮れ
あの子にふれた指で
あたしのまなじりを拭うのね
それでも構わないと喉元さらして尚
辿った優しさ 惨めに痩せていくならまだ、
まだもう少しだけ…
周到なはかりごとも毒牙も
たやすく手懐け弧を描くのよ
そのまま口付けられ深く沈んでは
今日もお終い
抱き締めあってもわからないわ
『恋は物言わぬように』
封をした深層の台詞 心ごと
左様なら、宛先不明の旅路まで
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