「……ふわあ……よく寝た……」

 村娘は目を覚ますと同時に頭を抱えた。

「いてて……ほんと二日酔いって怖いね……」

 そんなことを呟いて、ふと思った。




――朝が来ない。



≪Bad ∞ End ∞ NightⅣ 【自己解釈】≫


「な、なんで……? どうしてなの……?」

 村娘はそれに恐れ、急いで隣の部屋へと向かう。隣の部屋にいたのは少女人形と少年人形。少年人形は村娘の恐れた表情を見て微笑んで、

「気づいてしまったようだね?」

「あなたは何かを知ってるの?」

「……そうだね。じゃあヒントを教えてあげるよ♪」

 少年人形と少女人形が交互に話した。


***


「……ここ? ここって……最初の大広間じゃない……」

 村娘がやってきたのは、夜にどんちゃん騒ぎをした大広間。昨日の惨状はあっという間に片付けられていた。一体あのメイドと執事だけで片付けたというのだろうか?

 そして――少女は何かを見つける。

「……あっ?!」

 時計の針が――進んでいなかった。否、昨日のここに来た時刻を指したままだった。

「どういうことよっ!!」

 村娘は恐れて、気が狂ったかのように駆け出す。

 階段を通り過ぎ、それを見送るように少年人形と少女人形は村娘を見つめていた。

「……いよいよ佳境かな……?」

「そうね。ところでどうなの?」

「……どう、って?」

「いや、だから。あの子があの部屋を見つけたとして、どうなるのか、あんたには見当ついてるんでしょ」

「いや?」少年人形は不敵な笑みを零す。

「……怪しいわねあんた」

「昔からそうだったじゃないか。ぼくも、そして君もね」

 そう言ってふたりは消えた。


***



 走る。走る。走る。

 ただひたすら、走る。どこへ? 目的地なんてない。

 気付けば彼女は階段を降りていた。『入ってはならない』と言われた、禁じられたそれを。彼女は無意識のうちに降りていた。

「……ここ、どこ?」

 彼女は、階段をおりきった。そして、そこに広がっていたのは、


――無数の棺であった。


つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Bad ∞ End ∞ Night No.04【自己解釈】

いつ書いたかも怪しい自己解釈を進めてみました。

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原曲:http://www.nicovideo.jp/watch/sm16702635

閲覧数:462

投稿日:2012/05/19 21:36:53

文字数:900文字

カテゴリ:小説

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