episode1-4
『…マジかよ。これほど似てるって…もはや、クローンの領域じゃん。流石に…気味悪いな…。』『私が…もう1人居る…。こ、こんな事は有り得ないだろ…?ここまで、似ているなんて…マジでクローンレベルの話じゃん。』同じ様な事を考える2人…。暫く何も判断出来ない時間が流れる…。それを眺めていた及川先生と半兵衛も…『なんてこった!』『同じ顔が…2つ?私は…夢を見てるのか?』同じ様に固まって…動けないままだった。「…あの、こちらは…沖田信崇君です。…昨日、私のおっちょこちょいが原因で…バスを乗り間違えた所に助けて頂いて…送って貰ったと言う訳でした…。その時に落とした、じいちゃんの形見のキーホルダーをわざわざ届けて頂いた…ようです。」濃巳が…不穏な空気を取り払うように、話し出した。「あのじいちゃんの形見なら…仕方ねぇ~なぁ。あのじいちゃん…口うるさいわりに濃巳には甘々だったからなぁ~…。懐かしいな。」「…うん。」頷く濃巳を後目(しりめ)にして…信崇の方へ歩み寄る信介。「俺は尾谷信介…。この高校の3年だ…。しかし、見れば見るほど、そっくりだな。沖田君だっけ…君も、気味悪いと思ってるだろ?…下手なダジャレみたいになったけど…な。」「ハハハッ!…全く、私も同感だよ…。ここまで似てると、流石に気持ち悪い…な。」「あ~っ!…気味悪いと気持ち悪いは、違うからな~!…まぁ、出逢ったのも何かの縁かも知れない。よろしくな…。」「こちらこそ、よろしく…。」信介と信崇が握手を交わす…。「やれやれ…ですな。」「…一時はどうなる事かと思いましたが、やれやれです。」半兵衛と及川先生も久しぶりの対面を、しみじみと果たす間も無く、騒動に巻き込まれた感じである。

「…それでは失礼いたします。及川君も濃巳様も…どうかお元気で。」半兵衛の丁寧な挨拶をする中…「今日は、わざわざありがとうございました。」濃巳が頭を下げる。「たぶん、直ぐにまた逢う日が来るはずだよ。」…そう言い残して信崇と半兵衛が去ってゆく。
「…どうだ、久しぶりに、汗かいてみないか?」及川先生が信介に話しかける…。ただ、頷く信介。…胴着に着替えて、防具を身に着けた2人。正座をして…精神を集中する…。眼を見開く、2人が相対した。久しぶりの2人の試合に…息をのむ部員たち。審判を務める一馬が、号令を出して試合が始まった!『さぁ~っ!掛かってこい、信介!…んっ、どうした…?仕掛けて来ないなら、私から行くぞ!』及川監督が怒涛(どとう)の打ち込みを始める。『さぁさぁ…!どうする、信介!…お前が塞ぎこんでる理由は何だ~っ!このバカ野郎が~っ!』及川監督のラッシュは続く…。『…何なんだよ!…こっちは人を殺(あや)めて…ナーバスになっているのに。…も~うっ、怒った…!』信介が及川監督の攻撃を撥(は)ね退(の)けた。構え直す信介…。『んっ?…雰囲気が変わった。……おい、おい…迂闊(うかつ)に打ち込めなくなったじゃ~ねぇか…。こいつ…本気(まじ)になりやがったのか…?おぉ~っ、いいんじゃないか!』及川監督も構え直した…その時、信介が動いた!『来た!………どこだ?…!』眼に止まらぬ速さの信介の動きは…及川監督の胴を貫いていた。「一本!」一馬が手を挙げる。『何だと~っ!あいつの動きが…見えなかった。』信介に駆け寄る部員たち…。「…信介の強さは、心配ないようですな…。」一馬が監督に話す。「全く…心配して損したわ。ヤバいのは…本気になった時の信介は、誰にも止められない、って事なのかもしれんな…。」及川監督がしみじみと呟く。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

歴史を変える、平和への戦い

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投稿日:2024/03/17 17:11:10

文字数:1,489文字

カテゴリ:小説

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