「・・・模型の、幽霊?」

ぼそっと、ルカ。だけど、それ以外の人はなんにも言わない。
ショックで硬直しているようです、はい。全員でやられるとちょっとうz(ry

「あ~? あ、うんうん。幽霊じゃないんだな。ホログラム」
「ほろ・・・?」

未だに放心した様子で、メイコの上で軽く首を傾げるリン。
・・・いい加減、そこどいてあげようよ。

「日本語で言うとぉ・・・なんだっけ、立体画像?」
「・・・じゃあ、ここにいるおまえは、単なる映像・・・ってこと?」

怪訝そうな顔で、レンが尋ねる。模型は、コクンと頷いた。

「そゆこと。どう? なかなか上手く出来てるでしょ」

その場でくるんと回る模型。伸ばした腕が、全員の体をすり抜けた。
・・・今、明らかに全員がどん引きしたね。

「こういう動きも、全部CGで処理しちゃってるんだ。
 まあ、見た目キモイのが難点だけど。でも、人型のモデルが他になかったんだよねー。
 ・・・あ、それともリアルなライオンとか巨大なコウモリとかがしゃべるほうが良かった?」

表情の無い顔で、ちょこんと首を傾げる。・・・おえ。
他6人も、目に見えて青ざめた。
・・・というか、これ動かしてるのって女の子?

「うん、そーだよ菜乃花♪ というか、よくもさんざん悪口言ってくれたね♪」

と、模型・・・って、あれ? 今、私に向かって言った?
おかしいなあ、ナレーションモードの時の声は、マスターと画面の向こうの人にしか聞こえないはず・・・
・・・まさか!

「うんうん、そのまさかさ♪ 後で待っててねぇ♪」

ひいっ! ご、語尾が真っ黒なんですけどっ!

「・・・っと、そうだった。君たちに、話しとくことがあったんだった」

・・・い、今までの私との会話がなかったように、6人に向き直る模型・・・いやマスター。

「い、今誰と話して「うん、今それ関係ないから♪」ひいっ?!」

憐れ、カイト。知らなかったとはいえ、真っ黒音符のマスターに話しかけるとは・・・
今日から君を、兄さんと呼ぼう。

「あー、んっうん!
 君たちは、まあ知っての通り今閉じ込められてるよね?
 だから、ここから抜けだして見せてよ!」

咳払いをしてから、無邪気にマスターはこんな事を言った。

「・・・え? ちょっと、それってどういう意味?」
「どーもこーもないよ、そのまんまの意味さ!
 あ、もちろんヒントは置いてくよ? それじゃ、がんばってねー!」

メイコの質問にろくに答えず、手を振ってマスターは姿を消した。
・・・またカイトの体をすり抜けてたんですけど?
あとに残ったのは、困った顔の6人と、白い封筒。

・・・さて、私もそろそろ行きますか。
マスターが待っていることだし・・・ね。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Vocaloids and The Little Master 3

3話です。
話が進まない・・・。

閲覧数:58

投稿日:2011/05/27 05:42:11

文字数:1,143文字

カテゴリ:小説

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  • 瓶底眼鏡

    瓶底眼鏡

    ご意見・ご感想

    初めまして、瓶底眼鏡と申します。

    読ませて頂きましたが……人体模型なマスター、なんてシュール……
    なんかリアルなライオン姿とかも見てみたい気がする……←

    続き楽しみにしています!

    2011/05/27 10:36:02

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