♪冴和タルゥ目線

花屋で働き出してもう長いですけど…最近妙な客ばかりのような気がします
「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」
「では、貴女に似合う花をプレゼントさせていただこう!」
「………は?」
とりあえず表向きの笑顔を張りつけたまま内心かなりイラッ★冗談がすぎますね…
「コルチカムとかどうだい?美しい貴女にはきっと似合うはずだ!」
「誉めていただけるのは嬉しいですけど、うちにはコルチカムはありませんし。第一あなたは何なんですかいきなり」
「何って客じゃないか!!花屋で花を買おうとしているだけだぞ!?」
…鬱陶しい客ですね。客じゃなかったら踏み潰してやりたいところですけど。ほら、他お客様まで怪訝な顔してこっち見てきてるんですけど
「タルゥちゃん、ちょっと奥来てくれないかしらー?」
「えっ?あ、はい!!」
「君!どこへ行くんだ!!」
店の奥へ駆け足で行くと店長の大正明治さんが花束のラッピングをしながら立っていた
「タルゥちゃんも大変でございましょうね。変なお客に絡まれて」
「あ…すいません。見てらっしゃったんですね」
「まぁ、可愛くて優しいコは悪い虫が付きやすいから気を付けなさいね」
そういって明治さんは店に出ていった。店内を覗くとあの客はもういなかった

「それは大変ね…。お店にも迷惑になるものね」
「そうなんですよねー…」
陽が落ちかけた頃、仕事上がりにいつも店の向かいの教会に仕える友人のレインさんと話をするのが日常になっている
「でも、もしかしてそのヒトタルゥちゃんが好きなんじゃないかしら?」
「…考えたくもないですね」
「その手の輩って結構まとわりついてきそうだから気をつけてね」
「ありがとうございます。では、また明日」
軽く手を振ってレインさんと別れてから帰り道。女子高生が「やっば、VC始まる!!」とか言いながら走って行ったっきり人一人通らない。
コツ、カツ、コツ、カツ…
私の足音に合わせて明らかに後ろから近づく足音が聞こえる。…ストーカー?昼のアレ?ここは気付かないフリをして…
コツ、カツ、コツ、カツ、コッ…
かなり近づいてきましたねコツ、カツ、コツ、カツ、
「鬱陶しい!!」
振り向き様に肘を一発食らわせる。鳩尾入りましたね。ストーカーが呻いて倒れたところを振り向くと…
「…ツトヒさん?」
「ハァ、ハァ…タルゥ様の肘最ッ高…」
見覚えのあるピンクの髪の変態が恍惚とした顔で倒れていた
「何やってるんですか?」
「ピンヒールで踏まれるのもイイねー!!」
「何をやってるのか聞いているんで、す!」
「げふッ、顎蹴らないでくらひゃい。…コンビニの帰りにタルゥ様が怪しい奴に追われてたからその人を追ってるうちにタルゥに蹴られたくなって」
「追ってた奴を追ってた…?」
その時街路樹の後ろから誰かが飛び出してくる
「貴様ァッ!タルゥ嬢と仲良くして!ズルいz「黙れ♪」
よく見なくてもわかるソレは昼の客だった
「タルゥ嬢、再びお目にかかれるとは貴女は正に新時代の礎を築く僕の妃に相応s「いいから黙ってそこに正座なさい」
「はい!」
「なぜここにいるんですか?」
「昼の出会いが忘れられず追ってきたしだいであります!」
「え?もしかして一目惚れとかw」
「ツトヒさんは黙ってください」
何ですかこのめんどくさい人達…。そうだ、ここでは客じゃないですよね
「はっ!何故王である僕はここで跪いているのだ!?」
「黙ってください、そういう戯言は中二で充分です。まずヒトとの会話の仕方からヤサシク教えてあげましょうか」

「タルゥ遅かったな…ってどうした?」
「いえ何も、気にしないほうがセツさんの為ですよ」
「タルゥ様の犬一号、弦時ツトヒです!」
「タルゥ様の犬二号、莫音ユラギです!」
「ツトヒお前また…隣誰だよ?首輪にはツッコまないけども」
さて、晩ご飯でも食べますかね

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ようこそ☆亜種藍荘へ!16

架乃音さん宅の救音レインさんをお借りしました^^ありがとうございました!!

ちなみに走って行った女子高生は麻音雀だったり…

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投稿日:2011/01/11 13:41:24

文字数:1,604文字

カテゴリ:小説

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