朝から肘タックルを食らった俺の横腹は悲鳴をあげていた。
「っく・・・・・・ちくしょ・・・・」
横腹をおさえながら校門をくぐると「朝のおはようあいさつ運動」のタスキを掛けたTHE真面目生
徒にあいさつともとれないような小さな音発した。
流石にテスト一週間前なだけあって1-Aの教室では朝早くから登校して勉強をしている生徒もたくさんいた。さすがは学年平均一位のクラス。
長い階段をツカツカと上がっていき、自分の教室へとたどり着く。
相変わらずギャーギャーうるさい教室は馬鹿共がプロレスごっこの最中であった。
技を決めようとした男子生徒が俺の横腹に追い討ちを掛けるかの如く衝突してきた。
「いくぜ!スーパーウルトラスパイラル・・・・・イッテ、あ、わりぃわりぃ」
と、全く反省していない大馬鹿野郎を睨みでたかせた。
一瞬静まった教室を突っ切るように自分の席に向かう。
あぁ、またやってしまった。この空気はホントに・・・・・・・・・・
また重たいため息をついた俺は再び騒がしくなった教室の中で先ほどのオンラインゲームを再開する。
とりあえず適当にクエストに行って適度にスタミナを減らしておくことで、授業が終わったらまた
スタミナMAXの状態でクエストにいけるのだ。
これこそやり込みのゲーマーあるあるってとこだろう。
すると、またアイツの声がした。
「あ!なんだまたこのゲームしてるの?毎日毎日飽きないわねぇ」
「うおっ!!びっくりしたぁ!!なんだお前かよ。いいだろ面白いんだから」
「そのゲームそんなに面白いの?」
「あぁ、面白いぞ。キャラクターもかっこいいし」
何気に興味を持ったのか、珍しいな
「へぇ、私もやってみようかな」
「ん、やってみりゃいいじゃん。案外お前にもできるんじゃないか?」
「案外は余計だ!またやり方教えてね。」
「はいはい。ってかわざわざ俺が説明しなくてもチュートリアルさんが優しく教えてくれるって」
「え、なに?お笑い芸人?何言ってんの?んじゃよろしくね!」
綾音はふざけた調子で小さく敬礼するとスタスタと自分の席へ戻っていった。
時計の短い針は8の文字を指している。まだホームルームまで時間があるな。
ゲームの続きを再開すべくイヤホンをつけ直した。
・・・・・・・・・・・遠くの空で鳴くカラスの声を久々に聞いた気がする。
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