スーサイド虚構論文
BPM=131

死にたがりは死なない　しぶとく生きた
ほんとに死ぬ奴目に付かないわ

ホントのあたしを見てくれないって
喚き散らし傷口を掻いた
痛々しくも愛らしく
庇護欲をより掻き立てるように
どうせその空の頭の中は
来週(つぎ)のドラマの事ばかりのくせに
ほんとに終わる腹積りなら
こう話題にすら聞かない

死にたがりはすぐには死ねない
気付かれるまでその崖で待つ
その日が来るまで数えてた
傷ついた腕　正の字がある

『聞かないで　もう聞かないでくれ
明日また引き止めてほしいから
待って　もう死にたくなったの
だから今日は泊まって慰めてよ』


倫理、哀れを盾に我儘に
優しさを貪るは豚みたい
総花的なドラマを厭いて
あたしだけに花束を頂戴
彼らに見返りなど与えない
平気なのは捻れた心のみ
不安になるのは午前4時台
本命のアナタなら無し

死にたがりはすぐには死ねない
気付かれるまでその崖で待つ
死にたがりはもう飽きられた
その崖で袖引く者は無し

『行かないで　まだ行かないで、ねぇ
あたしまだ面白く踊るから
待って　もう生きたくなったよ
だからあたしを見限らないで』

縋る藁にもその手を離され
生きる理由に気付くは遅し
甘えた末は独りの花道
花束達は見る影もない

死にたがりは死なない　しぶとく生きた
あたしだけの花束はもうない