「…いつの日か、叶うかな?」
高校から下校中、隣にいた友達がポツリとそんな事を呟いた。
私は、染めた茶色の髪の毛を耳にかける。
「…いきなり…どうしたの?」
私がそう言うと彼女は薄く笑った。
『何でもないよ』
彼女は、気づくともう普通に戻っていた。
「…そう」
私は母ゆずりのきれ長の目を閉じた。
…すると、とたんに『感情』が伝わってくる。
『深い悲しさ』と『寂しさ』…
そうか…彼女の両親が…離婚したんだ。
私は、何だか分からない力…いや能力?がある。
いつの頃からか、目を閉じると感情が伝わってくるのだ。
この能力は、意味が分からないからほっといてる…。
そんな事を思いながら、ふっと目を開けると、いつもと変わりない下校通路がある。
私は横を見ると彼女と目が合った。
いつもより多めに私が笑うと、彼女は寂しそうに微笑んだ…気がした。
…何も言ってあげられなくて…ごめんね。
その後はいつも通り笑いながら、話をした。
私は彼女と別れ、自分の家へと続く道を歩いていた。
その時の事だった。
そこの道は四つ角交差点のすごく、交通事故が多発している所だった。
そんな所で、ボールなんか取ろうと思って子供が駆け出していったら?
当然、死んでしまうだろう。
でも、その事がまさに目の前で、起こっていようとしているのだから。
「危ない!!」
…反射的だった。
人は、どうしてこんなにも動けるのだろう。
どうして、助けようと思うのだろう。
身を徹してまで…
だけど私の脳裏に、そんな考えは無かった。
ただ、『危ないから助ける』
私らしくない考え方で。
男の子の腕を引っ張り、私は車道の方へと身を放り出した。
案の定、車が来ていた。
…私は目を閉じる。一瞬ってこんなにも長かったっけ?
そんな事が脳裏をかすめた。
だが、『感情』が伝わってきた。
『危ない』、『驚き』、『焦り』
嗚呼…最期に感じる感情がこれなのか…と、私は笑った。
どん
車に…当たったのだろう。
音がした…。
私は…
そういえば…意識が無くなる少し前、伝わって来たんだ。
『ありがとう』
って…ね
…じゃあ、おやすみ。
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多夢 Ω
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はじめまして。多夢 Ωです。
コラボの方からやってきました。
すごいです。
僕も小説を描くのですが、
僕は情景描写ばっかりで、
感情表現はあまり得意じゃないんです。
こんな風にうまく書けると面白いですね!
2009/08/29 15:21:34