赤いサンダル解いて
蹴り上げた空には
迷うそぶりも見せずに
沈みゆく太陽

冷ややかな
カラスの鳴き声
誰もいない公園に響く
ブランコの
上に置かれた空き缶が
危なげに揺れる

君の夢の中で
蒼ざめている
僕のような影を
殺して

焼けた土の香り
思い出せない
過去の閉じた記憶
どこかにあるはずの
対を成した
欠片の断面で
執着が嘲笑う

高く宙に浮かぶ
宝石を掌に包み込んで
握りつぶして
砕け散った輝きを
宵闇に撒いて祈る
安らかに

歳を重ねた樹木は
石のように乾いて
恵みの雨が降れども
決して癒えはしない

ひとりでは
歩くことさえも
できなくて
膝を抱える
僕の名を
呼んでいるのは
足元の
長く伸びた影

風が止んで
時が凍り付くような気配
胸の奥に生まれた

いつの間にか僕は
マリオネットのように
操られて
舞台の片隅で
継ぎはぎした衣装の
綻びを気にしながら踊る

心からだすべて
その限界も
彼は知らぬふりで
鎖を引いて
ロバのように
働かせる
世渡りだけがやけに
上手くなる

頼りなかったはずの
命綱に縛られ
素直な気持ちはもう
硬い鱗で覆われている
だから強く
勢いにまかせて壊せ
この身もろとも
首を絞める彼の
腕を捕らえて
叩きつけろ
僕を取り戻せ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ドッペルゲンガー

『ドッペルゲンガー』の歌詞

閲覧数:57

投稿日:2022/05/23 19:46:21

文字数:541文字

カテゴリ:歌詞

クリップボードにコピーしました