「はよーっす」
「おー、はよー」
【気まぐれ小説・さん】
がやがやと騒がしい教室の隅の窓際席。ボーっと座ってHRを待ってたらアイツがわざわざ足を運んできた。
「おい、」
「何デスカー」
言われるであろうセリフが分かってたので敢えてそう返事をしたら案の定「ムカつくなお前」と前置きされた。
「俺のマフラ…」
「何デスカー」
「だから俺のマ…」
「何デスカー」
「聞け!」
はいはい、マフラーでしょマフラー知ってますよそんな何回も言わなくても昨日の今日じゃん。
と、目で訴える。
「持ってきたか?」
「忘れた」
「何で忘れんだよ!!」
今日帰り俺すっげ寒いじゃねーかとか何とか言いながら半ば諦め入った顔してるからあー、少しはアタシの事分かってんだなコイツ的にとか思う。
「忘れた」
「あー?」
「……訳無いじゃんアタシほら律儀だし」
どこがだよとぺちっと額を叩かれたので「あーぁ、そんな事する人には返せませんなぁ」とか言って誤魔化してみたけどやっぱおでこが熱い。
「~、あのなぁ、」
「はいよ」
あの後直ぐに部屋に帰って探した小綺麗な紙袋(結構時間掛った)の中にたたんだ群青色が見える。
「サンキュでした」
「おー」
はにかむように少しだけ笑った顔がアタシの体温をまた少しだけ上昇させた。
※サプライズが待っているのだ!!
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想