♪兎音ラン目線

「ありがとうございましたー」「いらっしゃいませー」
何度も繰り返される言葉、今はPM4:30。学校帰りらしい学生が何人も店の外を歩いていた。
ちなみに今日はバイトの日。私はペットショップでバイトしているの、元々動物が好きだったしバイトの先輩も優しくて楽しい雰囲気で仕事もやりやすいから結構気に入っている。
「はー、やっぱり動物って可愛いわよね~。待っててね猫ちゃん、今お水取り替えるから」
喋りかけながら世話をしていると動物達も応えてくれるような気がする。
何より…癒される~☆動物の毛並み…もふもふしたい…あーもう!可愛すぎる!!
「でも、やっぱり兎が一番よね~♪この可愛さたまらないわ!」
「だよな!俺も兎好きだぜ!?」
「…は!?」
ちょ、え?独り言聞かれた!?っていうか…どこかで見たことのある人なんだけど…
「やっぱりランちゃんだったのか!前に鍋食べに行ったときからここのペットショップの店員さんに似てるな~、って思ってたんだぜ☆」
「…あ。確か、銀音セツ…さん?」
「覚えててくれたのか!?ランちゃん見たいな可愛いコが俺サマのこと覚えててくれるとかマジ嬉しいんだけど!!」
…はっきり言って、この手のうるさくて、軽そうで、見た目チャラいタイプはあまり好きじゃない。とか言ってウザい消えろ、とかは思わないけど
「その口振りからして…前から私を知ってたんですか?銀音さん」
「セツでいいって☆俺ここの向かいのファミレスでバイトしてんの、それで窓越しによく可愛いコが見えてたから気になっちゃってさーwww」
「はぁ…。あの、すいません。兎のゲージ掃除するんでどいてくれません?」
「おっと、悪ぃ悪ぃ。それにしてもランちゃん兎好きなんだなー。さっき兎見てた顔超幸せそうだったぜ」
…この人いつから見てたのかしら。ちょっと恥ずかしいところを見られたような気がする
「すいませんが、店に用がない方は帰っていただけますか?店員個人目当ては迷惑となりますので」
ちょっと言い方がキツかったかしら?まぁ、こういうタイプにはハッキリ言ったほうがいいわよね
「え?何俺嫌われてる?ショックー…。でも店員目当てじゃないぜ?俺動物好きで週2はここでいろんな動物眺めてんだ☆」
「へぇ…」
何も買わずに動物だけ眺めてるのもそれはそれで迷惑かも?しれないけど
「コイツ、この黒兎ずっといるよな…。最初来たときよりデカくなっちゃってさ、値下がりしてるのに誰も飼ってくれないんだな。こんな可愛い顔してんのに…」
そういってセツさんは兎のゲージを覗き込んだ。ほんとに動物好きらしいわね
「ホント、インコとかと一緒のコーナーに入れられてうるさいだろうにね。いっつも大人しくて怒ったこともないのに…。誰か飼っていってくれないかしら?」
私はゲージの下を引き出して洗いながらつぶやく。そういえば、この兎について初めて人と話した気がする
「まぁ、いつかきっと誰かが飼ってくれるさ…」
そんな顔するんだ…。動物思いなのね。ふと時計を見上げる
「…と、もう5:00か。私今日はもう上がりだわ。じゃあね、兎について話せて良かったわ」
「…そうだ!俺今日ランちゃんと一緒に飯食いに誘おうと思ってたんだ!…どう!?」
「お断りします♪」
「ええぇ~~~!!?」
動物好きに悪い人はいないだろうけど、2回しか会ったことない人となんて行くほど軽い女じゃないわよ♪

さて、帰って明日のVC情報でもチェックするかな

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ようこそ☆亜種藍荘へ!13

ラン目線でお送りしました~(*´∇`)

閲覧数:22

投稿日:2010/11/04 21:34:51

文字数:1,442文字

カテゴリ:小説

クリップボードにコピーしました