悠を待つこと1分。
彼は不機嫌そうな顔で階段を上ってきた。
「遅いっ」
短い間だったが凪には長く感じられる。
「いやメシ作れよ」
不機嫌そうな悠は口を尖らせた。

「それより中に凄いのがあるんだってば」
凪の様子に悠はさほど興味を示さず「黒い悪魔でもでたのか~?」と適当に流す。
「人が箱に詰められてるの!」
その時悠が殺人犯を見る目で凪を見ていた訳を凪は理解できなかった。

「ボーカロイドって言えよー」
昼食後、悠は自宅から持ってきたノートパソコンで箱から出したボーカロイドとやらの状態を診ていた。
「でさ、そのボーカロイドだっけ?ちゃんと動くの?」
食器を洗いながら凪が尋ねる。
「お前、ボーカロイドって何だか分かってるか?」
悠の言葉に凪はムッとする。
「知ってるよ、それくらい」
「じゃあ何だ?」
「棒火炉井戸?」
「販売会社とマスターの人々に謝れ」
「うぅ…」
なぎの様子に夕はため息をついた後「簡単にいえば動く人間の形したロボットだよ」と
説明してくれた。
「それよりこの人動くの?」
壁にもたれ掛かっているボーカロイドを指差す。
目を閉じて停止している姿は眠っているようにしか見えない。
「まぁ、プログラムには異常ないんだが…」
悠がボーカロイドを見ながら答える。
歯切れの悪い返事に凪はボーカロイドを再び見る。

エメラルドのような綺麗な緑の髪をしている自分と同じぐらいの身長の男性である。
しかし服やマフラーは青を主としており個人的には緑に基点を置いた服のほうが似合うと思うのだが悠は彼のどこに不満があるのだろうか。

「異常はないんでしょ?」
確認をする凪に悠は苦虫を噛み潰したような顔になる。
しばらくして悠はため息をつくと言葉をつむいだ。
「プログラムに異常は無い。でもこいつの外見が異常なんだ」
「…え?」
悠の言葉に言葉を失う。
「こいつは元々カイトと呼ばれる青髪の男性なんだ。でもここにいるのは―」
緑髪の男性。
事態を把握する。
「え?じゃあ…」
「異常行動を起こさないとも限らない。今すぐ引き取ってもらうか?」
異常行動。それはプログラム上にあるストッパーによりボーカロイドができない行動の事。
しかしプログラムにいわゆるウイルスと呼ばれるものが入りストッパーが外れたときにボーカロイドはそれを行うことができる。
そしてストッパーが外れた状態のボーカロイドのことを「不良品」と世間では言うらしい。

もう一度カイトと呼ばれた男性を見る。
眠るように停止している彼はとても異常行動など起こしそうに無い。
たとえそれが自分の思い込みだとしても信じたい。
今日初めて出会ったはずなのに何だか懐かしい気がする。

どれくらい悩んだだろうか。
でも結論は既に出ていた気がする。
自分はそういう性格だから。
悠を見ると分かったような顔をしている。
「機動、できる?」
「食事代とか増えるぞ?」
「それぐらいで屈してたらアンタの世話なんてできないでしょ」
「だろうな」
悠は笑うとパソコンのエンターキーを押した。
準備ができていた所、悠は初めから自分が起動するほうを選ぶことが分かっていたようだ。
そう思うとなんとなく腹が立つ。
自分の悩んだ時間は何だったのだろうか。

「動くまで時間かかるからその間に着替え持って来てやるよ」
「え、いいの?」
玄関へ向かっている悠に凪は聞き返した。
「どうせそいつも長い間放置されてんだろ?」
悠の言葉に納得する。
物置にずっと居たのなら少なくとも10年は放置されているはずだ。
放置されていたときの記憶がなければいいのだが。
「また来るぜ~」
そんなことを思っていると玄関からドアの閉まる音がする。

「晩ご飯、パーティーにしよ」
悠の好きな料理を作って。
そんな事を思いながら私は晩御飯の準備に取り掛かった。

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  • 非営利目的に限ります

日向さん家のボーカロイド[始まりは物置から] 3話

あかちゅきです。連コインならぬ連投稿です。
やっとニガイトこと二ガティーが出ました。
つーか読み直したけど他の人との差が酷いね。
笑えないよ、色んな意味で。

というか地の文間違えたかな?かな?
これ絶対駄作になる気がするよ…

厨二病の私にとってルビが振れないというのは悲しいの一言に尽きます。
感情的に表せば…
「うっしゃぁぁぁああ!ルビ振るぜっ!厨二っぽく!」
「ムリ」
「嘘だぁぁあああああ!!」
「黙れ厨房」
「これは、これは神の試練なのかっ!?」
「禁則事項DEATH☆」
「ハ○ヒなのか黒執○なのかはっきりしろ!」
みたいなかんじですね(意味不明にも程がある…

ではっ

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投稿日:2009/11/08 21:53:17

文字数:1,588文字

カテゴリ:小説

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