こんなに近く、こんなに遠く


遠い町へ 会いにゆく
窓の景色も 見てなかった
長い時間も 遠い道も
少しも遠く なかった

改札の向こう あなたがいた
見つけた瞬間 笑ってしまう
知らない町の 知らない駅
その日から 近くなった

同じ町へ ひとりでゆく
今日は景色を 見ていた
あの日と同じ 駅を出れば
懐かしい風が 吹いていた

駅前の あの店も
あの日のまま そこにある
ふと顔を上げたけれど
誰も 探さなかった

いつもの角まで 歩いてゆく
曲がった先に ふと一瞬
見慣れた背中が 見えた気がして
ほんの少し 足を止めた

こんなに近く
こんなに遠く

曲がらなかった

ひとり
そのまま
歩いてゆく

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

こんなに近く、こんなに遠く

この曲から穏やかで静かな印象を受けたので、激しい恋愛の物語ではなく、よく似た二つの場面を重ねながら、時間と距離の中で少しずつ変わっていく気持ちを描きました。

一度目は、遠く離れた町まで、ある人に会いに行きます。改札を出ればその人が待っている。それだけを思っていたので、車窓の景色さえほとんど見ていません。遠いはずの道のりなのに、少しも遠く感じませんでした。

そして時が過ぎ、もう一度、同じ町をひとりで訪れます。同じ駅、駅前にはかつて一緒に行った店もまだ残っています。何も変わっていないように見えるのに、今度は以前には気づかなかった景色が見えてきます。

懐かしい角まで来たとき、その先に見慣れた背中があるような気がして、一瞬だけ足を止めます。でも、曲がらずに、そのままひとりで歩いていきます。

描きたかったのは、忘れることでも、意識して別れを告げることでもありません。いろいろなことを経験したあとに、人の中に自然に生まれる小さな変化や成長です。

過去を否定する必要も、思い出を消す必要もない。ただ、そこに立ち止まり続けることはない。

だから最後には、「忘れた」「さようなら」「前へ進む」といった言葉を入れませんでした。「曲がらなかった」という一つの行動だけを残して、言葉にしなかった部分は曲と、聴いてくださる方に委ねたいと思いました。

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投稿日:2026/09/29 11:36:29

文字数:305文字

カテゴリ:歌詞

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